カウンターからひょこっと顔を出して笑顔を送る
自分の部屋に向かって階段を登る
ベッドにダイブし、ため息をつく
”優しい人とか” ”自分を大事に”とか...
今まで何回言われてきたか
過去のことを思い出して怒りに任せて怒ってしまった
去り際に見た顔は未だ忘れられない
申し訳ない気持ちはある
しかし今まで喧嘩で解決してきたため、謝罪にはかなりの抵抗がある
in 学校
一階に下りてカウンターを覗く
外に出ると少し冷たい風が頬を撫でた
急に声をかけられ腕を引っ張られた
昨日の子ではなさそうだが、
路地裏に入ると手を引いた男子は立ち止まった
そうニヤッと笑うと、布で口を塞がれ後ろから頭に袋を被せられた
抵抗する間もなく、意識は遠のいた
チリンチリン
そう言って三人は喫茶を後にした
商店街の周りはかなり探した
しかし彼女らしき姿を見かけることはなかった
目が覚めた
と言っても袋を被せられているせいで視界は暗い
それにまだ意識が朦朧としているせいで頭が上手く回らない
口を抑えた布になにか染み込ませていたのだろう
外からは誰かが話している声が聞こえる
助けを求めたいが敵かもしれないし、
誰かに頼るようなマネはしたくない
蘇芳の表情はいつにも増して深刻そうだった



















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!