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第19話

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475
2026/03/04 10:00 更新
👑side













ハン
ハン
………ん、…………
ヒョンジン
ヒョンジン
……ハニ?
ハン
ハン
……ん、ぁ、…………
バンチャン
バンチャン
ジナ、どうしたの?
ヒョンジン
ヒョンジン
…ハニが起きたみたい、だよ?










さっきのハニ……凄く可愛かったなぁ。














チャニヒョンが勢い余って殺そうとしてたから、必死に止めたけど。



















僕達に喰種と言われたハニは、これからCCGとしてどうするんだろう?















いきなりやめる?だけどそうしたら、残りの4人がCCGから解放されることはない。





それはきっと、ハニが一番嫌な展開なはず。






















ハン
ハン
……ヒョンジナ、バンチャン………
バンチャン
バンチャン
……ん?
ハン
ハン
……ぼ、く………





















ハン
ハン
……このまま、みんな記憶を取り戻せないのは嫌だ。
ハン
ハン
……だから、、
ハン
ハン
………2人がいいなら…僕に、協力してほしい。
ヒョンジン
ヒョンジン
……へえ?
ハン
ハン
…僕達に今まで起こったこと、誰に何故記憶を消されたのか………わかる範囲で全部、話す。
ハン
ハン
……お願い。2人にしか頼めない。今、僕が頼れるのは2人だけ、なの。










……そういって、頭を下げるハニ。






















あぁ……なんて可愛いんだろう。



















あんなに頭の切れるハニを、普通は頼らない僕達に頭を下げてまでお願いするほどハニを追い詰めている人物。
















もしかすると、ハニがこの前チャニヒョンに電話していた「GIANT」と今回の件は密接に関係があるのかもしれない。
















ヒョンジン
ヒョンジン
…ふふ、僕はいいよ?ハニとまた協力できるのは面白そうだし……単純に、どうしてこうなったのか気になるからね。ヒョンは?
バンチャン
バンチャン
……ハニが僕に、頼るなんて……今回は相当だね?
ハン
ハン
………………………
ハン
ハン
…………元々実験の提案をしたのは、紛れもなくバンチャン…お前だろ。
バンチャン
バンチャン
んー?うん。それがどうしたの?
ハン
ハン
………僕がこの実験を始めなければ…こんなことには、ならなかった。
バンチャン
バンチャン
……ふーん…………つまり、実験で作り出した喰種と関係があるの?
ハン
ハン
………そう。
バンチャン
バンチャン
……なるほどね。
バンチャン
バンチャン
……でもハニ?実験を始めたのは…君が、「殺されたい」という歪んだ愛情を求めたからでしょう?ふふっ……ㅎ
ヒョンジン
ヒョンジン
…………














………殺されたい?












……あの、ハニが?




















………言われてみれば、僕はハニの実験に協力することはあっても、そもそも何のためにこんなことをしているのか考えたこともなかった。





















ただ楽しいから、面白そうだから協力した。それだけだった。



































………だけど、チャニヒョンの話を聞いてハニは赫眼になり瞳を赤と黒に染める。





















ハン
ハン
………黙れ……これ以上ヒョンジナに余計なこと吹き込んだら、お前を殺す。
バンチャン
バンチャン
あはっ、怖い怖い………
バンチャン
バンチャン
……でも、ハニに僕は殺せないと思うけどなぁ…?♡
ハン
ハン
…………………
ヒョンジン
ヒョンジン
………また争うの?2人ともㅎ…協力するって言ったばっかりなのに…………
バンチャン
バンチャン
……違うよヒョンジナ。僕はハニのこと、可愛がってあげてるの…♡
バンチャン
バンチャン
殺されることでしか愛されたと感じられないハニなんて、惨めで可哀想で…それが凄く可愛くて、ついつい殺してあげたくなるの…………♡
ヒョンジン
ヒョンジン
………………だとしても、さっきも言ったでしょ?今は一旦やめておきなよ…ㅎ
ヒョンジン
ヒョンジン
…ほら、ハニも……一旦赫子しまっ………て、、?













こんな可愛いハニを今すぐに殺すのはどうしても惜しくて、ヒョンを宥めてからハニも宥めようとすると…………



































ハン
ハン
………っ…う………ぅ……、
バンチャン
バンチャン
………ぇ、
ヒョンジン
ヒョンジン
……ハニ…?!









……ハニは先程とは打って変わって、人間離れした目から静かに綺麗な涙をぽろぽろ溢していた。






















いつもはあんなに余裕そうに見せているハニが、今初めて僕達の前で弱みを見せて泣いている。

















ハン
ハン
………しにたい……しにたいんだ、ずっとずっと…………
ハン
ハン
あいされたくて、あいしてもらいたくて………ぼく、わかんないんだ、全部全部っ…………
ハン
ハン
あいして、あいして、あいして、あいして………僕のこと、壊れるくらいにあいして壊して…………
ハン
ハン
……お前らも…………僕を、あいしてくれないの…?















………ハニはそう呟きながら、涙を流し続ける。





























……ハニの「愛されたい」という感情は、もう完全に歪みきっている。















詳しくは僕にはよくわからないけど、きっと幼い頃の経験が関係して、歪んだ愛を相手に求め続けるんだ。



















求めて、愛されなくて、死ねなくて。











それを繰り返すうちに、またどんどん歪む愛への価値観。
















もうハニの愛への固執を止めることは誰にもできない。そして、殺されることでしか愛を感じることもできない。























……つまりハニは生きているだけで、本当は毎日劣等感や孤独感を感じている…んだと、思う。

























ヒョンジン
ヒョンジン
………ハニ。僕達はね、本当に心底ハニのことを愛してるの。
ハン
ハン
…じゃあ、なんで……殺してくれないの…??
ハン
ハン
愛してくれるなら……殺してよ……殺して、殺して?僕のこと、殺して………
バンチャン
バンチャン
……ぁ~…♡♡♡
ヒョンジン
ヒョンジン
……ヒョン、我慢。さっき僕に引き留められたばっかりでしょ?
ヒョンジン
ヒョンジン
………僕達は今、ハニを殺すことはできないの。
ハン
ハン
……なんで。
















なんで……かぁ。


















本音を言えば、僕達はまだハニのこの踠き苦しむところを見ていたいから………だけど。


















ヒョンジン
ヒョンジン
……僕達の愛への価値観と、ハニの愛への価値観が……違うから、かな?
ハン
ハン
………………
ハン
ハン
…………やっぱり。










僕がそう言うと、ハニはため息をついた。







 












ハン
ハン
…………ごめん。もう、お前らには頼まない。
ヒョンジン
ヒョンジン
………………











お前ら「には」…ね。

























……ハニは手で涙を拭って、少し無言になったあと。


























ハン
ハン
…………僕だけ、愛に縋って………ばかみたいだよね。
バンチャン
バンチャン
………………………
ヒョンジン
ヒョンジン
………………………

















ハニが悲しそうに笑ってそう呟いたこの空間は、しばらく沈黙に包まれていた。
























🐶side






















………おかしい。




















どうして、どうしてなの?




















どんっ!!













フィリックス
フィリックス
ッ゛、ぁ………う゛、ぐ、っ………
リノ
リノ
………ッ………お、前………なんなんだよっ………















……僕達がどれだけ攻撃しても、この喰種は反撃をしない。もはや、敵意すら向けてこない。


















ただ涙を溢して、僕達を見つめながらされるがままに倒されているだけだ。





















僕達の攻撃でどんどん血まみれになって行くこの美しい喰種は、見ていて痛々しい。




















アイエン
アイエン
………なんで……なんで、抵抗しないんですかっ……?
アイエン
アイエン
このままじゃ、僕達に………殺されちゃうんですよ…!!















本当はこの喰種を殺すことが任務なはずなのに、抵抗してないなら尚更早く任務を終えられるはずなのに。





















僕達は、ずっと違和感を感じてこの喰種に完全な殺意を向けることができないでいた。




















ずきっ














スンミン
スンミン
……ぅ゛っ………!
アイエン
アイエン
ぁ………??
リノ
リノ
ッ゛…………












……また、だ。





















この喰種に疑問を抱く度に、頭がどんどん痛くなる。
















それは僕だけではなくみんなも同じようで、いつの間にか僕達は攻撃をすることすら辛くなっていた。

































……………何か………知っている気がするんだ。



















フィリックス
フィリックス
……っ………ぅ゛………は、ぁっ…………











美しい喰種は、僕達が苦しんでいる間にStraykidsのドアに寄りかかって、僕達から攻撃を受けたところを押さえながら涙を流して苦しんでいる。





















普通はどちらかが勝って終わるはずなのに、僕達は今全員原因がわからないのにまるで満身創痍状態に陥っているんだ。
























頭が、痛い。

















割れるように痛くて、考えるうちに動くことですらしんどくなってくる。










































………僕達は、CCG失格だ。



































なぜなら、

















僕達は今、この喰種を殺す理由も意味も、何もわからないから。


































スンミン
スンミン
…………ね、ぇ…………
フィリックス
フィリックス
…………………………
スンミン
スンミン
………君、は………一体………何者なの……??


















……僕はもう全てがわからなくなって、喰種にそう問いかけた。



























……でも、返ってきた言葉は、期待していた答えではなかった。





























フィリックス
フィリックス
……………ぼく、を………殺せば…わかるんじゃ、ない……?ㅎ
スンミン
スンミン
…………ッ………?


















笑顔なのにどこか悲しくて、泣いているのにどこか目の奥が暗くて。































……今、理由はわからないけどこの喰種を殺そうと微塵も思えない僕達にとって、その言葉は余計僕達の頭を混乱させるだけだった。




































………だから、僕はいてもたってもいられなくなってしまった。
























スンミン
スンミン
………っ………!!
アイエン
アイエン
………っ、ぇ………ぁ…?!
リノ
リノ
……すん……み、な………?!

















…………僕は気付けば、身体に何かが取り憑いたかのようにCCGに後戻りをするために走っていた。



















こんな場から早く逃げ出したくて、喰種を殺したくなくて、でもそんなことを考える自分がよくわからなくなって、何も考えたくなくなって。





















僕は逃避をするために、その場から逃げてしまった。




































リノ
リノ
……ッ、イエナ………俺達も、スンミナ追うぞ……!
アイエン
アイエン
………ぇ、ぁ……は、はいっ………!





















フィリックス
フィリックス
…………ぁ…………………
フィリックス
フィリックス
……………………な、んで……………
フィリックス
フィリックス
………なんで、また……………みんな、僕から……離れる、のッ…………………
フィリックス
フィリックス
……い、ゃ…………ぼ…ぼくの、せいなんだ…………全部、全部ぼくのせい、で…………


























チャンビン
チャンビン
…………………
チャンビン
チャンビン
……はぁ…………っ、たく。……俺は面倒事が嫌いなんだけどな…………













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