目の前には圧倒的な威圧感を放つ筋肉だるまが
仁王立ちをしていた
頭の中でゲーム形式の選択肢が4つ浮かぶ
→ ▷ にげる
▷ たたかう
▷ うそをつく
▷ ほんとうのことをいう
▷ にげる
▷ たたかう
→ ▶︎ うそをつく
▷ ほんとうのことをいう
───ッダァン!!!
すぐ横で大きな鈍い音が鳴り響き、壁が震えて
いるのがよく分かる
真横には宇佐美の足
正面には覆い被さるような形で私の顔を覗き込む
宇佐美が壁に追い詰められた私を逃がすまいと
囲っていた
ビリビリと宇佐美からの圧が私に刺さっていく
覆い被さられている体制のため、逃げられない
心臓の音が爆音を奏でていて、いつか飛び出て
しまうのではと心配になる
心なしか息遣いが荒くなっていっている気もする
そもそも、自分の行動を自覚していたことが
信じられない
このままだと、嘘をついているのがバレて
最悪、広瀬からの嫌がらせが 嫌がらせの範疇を
越えてくるかもしれない
そうなる前に──
張り詰めた空気に静かな冷たさが加わった気がした
私が言葉を全て言い終わる前に宇佐美が言葉を
被せて、それ以上私に話させようとしてくれない
結ばれた紐を少しづつほどくように淡々と私の
嘘を解いていく
やめてくれ、それ以上私のことを知ったような口を
叩かないでくれ
どうせ広瀬がやっただなんて思いもしないくせに
一丁前に困ってる人がいたら助ける正義面しやがって
宇佐美がしゃがみこみ、私と目線を合わせてくる














編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。