第15話

『たなばた』
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2022/03/13 13:48 更新


『ヨボセヨ〜?』
電話越しに、ゆっくりと優しく響く低い声。
私の大好きな声。
あなた
ふふっ、ユウトまた韓国語でちゃってる。笑
ユウト
ユウト
『あ、ごめんつい。ㅋㅋ 』

韓国でアイドルとして活動する、幼なじみで私の彼氏との通話が、毎晩の日課。
あなた
また部屋にこもって作業してるの?笑
ユウト
ユウト
『いや、今日はこもってない。
ヤー、お前俺がいつも作業ばっかだと思ってるだろ。ㅋㅋ 』
あなた
あ、バレた?笑

たまにでちゃう韓国語。
前より短くなった通話時間。

変わってしまったところもあるけど、マイペースな喋り方や少し高くなる笑い声は昔からずっと好きなユウトのまんま。
ユウト
ユウト
『そういえば今日七夕だね。』
あなた
あーそっか、あたしすっかり忘れてた。
ユウト
ユウト
『なんかお願いした?ㅋㅋ 』
あなた
え?この歳で?笑笑
ユウト
ユウト
『いいじゃんいいじゃん、ㅋ 』
あなた
えー、なんだろーな〜笑

お願い、か


しいて言うなら、
あなた
…ユウトに会いたい、かな。

口に出して、泣きそうになった。


会って、力いっぱいぎゅっと抱きしめたい。
よく頑張ってるねっておでこにキスをしてあげたい。

けどそんなワガママはユウトを絶対に困らせる。
ユウト
ユウト
『うん、俺も早く会いたい。』

知ってるよ、優しいユウトはきっと今困ったように笑ってるんでしょ。
ユウト
ユウト
『…なぁ、あなた今家にいる?』
あなた
え、?いるけど?
ユウト
ユウト
『お前ポストの中にはがき入ったままだよ?ㅋㅋ 』
あなた
あ、今日そーいえば見るの忘れt…、




え?
あなた
…ユウト?
ユウト
ユウト
『ん?ㅋ 』
あなた
…今、どこにいるの、?

答えを聞く前に、私は勢いよく玄関を開けた。
あなた
っ…!
ユウト
ユウト
久しぶり。ㅋ 


目の前にいたのは、紛れもなく、私の大好きなユウトだった。

ユウト
ユウト
あははㅋ 泣くなよ〜ㅋㅋ 
あなた
なんで…っ、作業とかっ、練習とかっ…、
ユウト
ユウト
落ち着けってㅋㅋ 

大きな手が背中を優しく撫でる。


ユウト
ユウト
七夕だから、今日は許されるよ。


私の彦星は、そう言って照れくさそうに笑った。

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