いつもは言わないそんな言葉を言ってみる。
今日は一人じゃないからかな。
なんか言いたくなった。
そんなことを考えていると僕の隣で静止した彼。
こんな綺麗な容姿に対照的な少し緊張した態度。
そんな純粋な姿に思わず手が伸び頭を撫でていた。
そう一声かけソファーに座ったのを確認すると台所に向かった。
僕はよく自炊をする方だから料理は苦手ではない。
でも、今日は二人分。
僕以外の人が手料理を食べるということに少しの緊張を覚えたが、それをかき消すように大きく意気込んだ。
料理が完成し器に盛っていたときに
僕の背後にまわり、耳元で囁くものだから少しびっくりした。
僕の後ろから覗き込むように料理を見る彼の目はきらきらしていて好奇心を表している。
机に料理を並べソファーに並んで座る。
もういいって待ち切れないような目で僕を見つめてくる彼。
僕が笑いながらいいよって返すといただきますって合掌する。
しっかりしてるな
なんて思いながら僕も料理に箸をつけた。
褒めてくれたと思ったら突然首を傾げ、僕の名前を連呼する。
グギヒョン?グクさん?
そう呟きながら僕を見つめる彼の瞳に少し胸がどきりとした。
満面の笑みで料理を頬張る彼は突然僕を指さした。
何か見つけたような眼差しに反射的に質問する。
そう自分の鎖骨あたりを指さす彼。
さっき料理しているときに付いちゃったのかな。
手で探りながら取ろうとするも触った感触がない。
取れてないと首を横に振った彼は勿体ないと呟くとゆっくりと僕のほうに近づいてくる。
取ろうとするのを諦めた僕は取ってもらおうと首を横に向けた。
ピチャッ
取ってもらうのを待っていると突然襲った舌が這う感覚。
何が起こったのか、満足げな顔をした彼。
手で取ってくれるのかと思っていたけど、まさかそのまま食べちゃうとは。
僕も変な声出ちゃったし。
掴めないな、この子。
……は、?















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。