第8話

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2026/07/29 22:32 更新





 静まり返った地下室

 幾重もの薔薇の花に生まれるように横たわる私の体温は

 以前のような冷たさではなく、


 ゆっくりと温かな熱を帯び始めていた 。


 深く、長い闇の底から浮上していく感覚 。

 まぶたの裏に、眩しいほどの赤い光が差してくる



あなた
……ん、……っ


 かすかに指先が動き、ゆっくりと瞳を開く

 視界に映ったのは、見慣れた城の天井と


 ――目の前で呆れたように私を見下ろす一人の青年の顔だった 。



kzh
……やっと起きた 。
遅ぇよ、何時間寝てんだお前


 どこか呆れたような、けれど安堵の混じった声

 目の前にいたのは、葛葉だった 。
あなた
葛葉……?
私、確かあなたに血を……



 自分の身体を起こそうとして、驚きに目を見開いた

 体内にあふれる、これまでとは比べ物にならないほどの


 強大な力


 手首にあったはずの傷痕は綺麗に消え去り、

 視界に映るすべての世界が、鮮明に輝いて見えた 。



kzh
気づいたか?
お前、もうただの吸血鬼じゃねぇよ



 葛葉はふっと口元を緩めると、

 私の前に膝をつき、優しく手を取った

 その手に込められた力強さに、胸が熱くなる 。


❥⋯NEXT


🩸🖤🪽
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