第5話

episode4
30
2023/08/22 15:08
2年前月帆卒業式
校長
校長
卒業証書 月帆殿
貴方はーーーーーーー
今日私は魔法少女育成学校を卒業した
卒業試験にもトップで合格し、明日からは魔法少女として任務をこなしていく
静空は来年卒業のはずだが、私とパートナーなことと、成績優秀なことを踏まえて、半年後の卒業試験に受かったら飛び級で魔法少女になる
それまでは一人で任務をしなければならない
シエル
シエル
月帆卒業おめでとう
セレネ
セレネ
ありがとう
静空も半年後頑張って
シエル
シエル
うん必ず合格して月帆の元、否もう魔法少女名で呼んだほうがいいかなー
’’セレネ’’
セレネ
セレネ
ふふ そうだね
魔法少女は卒業のときにお互いのパートナーの魔法少女名をきめる
今回は私だけの卒業だから静空が決めたけど、半年後に私も静空の名前を決める
確かセレネの意味は、、、
シエル
シエル
ギリシャ神話の月の女神
シエル
シエル
月帆にぴったり
セレネ
セレネ
絶対女神ではないんだけど、、、
シエル
シエル
まぁいいでしょ
月帆も私に素敵な名前つけてね
セレネ
セレネ
分かった期待して
ロサード
ロサード
まぁでも月帆ちゃんって女神って感じはしないよね〜ww
なんか悪魔というか疫病神に近いww
イリゼ
イリゼ
杏奈言い過ぎ、、、
イリゼ
イリゼ
でも、可愛げないし本当に魔法少女育成学校首席で卒業したのは信じられないw
シエル
シエル
黙ってればグチグチと、、、、
セレネ
セレネ
静空、いいよ
シエル
シエル
でも、、、
セレネ
セレネ
揉め事起こしたくないから、ね?
ロサード
ロサード
つまんな〜い
大体テレビの取材受けないとかありえない
どんだけ冷めてんの?
ロサード
ロサード
というか、あなたの家族が亡くなったのは’事故’でしょ?
助けられなかったからって魔法少女のせいにするのは違くない?
勝手にひがんで私可愛そうですアピール?w
あのとき魔法少女はテレビに向かって助けた子をアピールしただけ、授業でも習ったでしょ?
とりあえずみんなを安心させるために一人一人報道陣にアピールしてって
だから、
セレネ
セレネ
うるさい!!!
セレネ
セレネ
何も知らないくせに勝手なこと言わないで!!
シエル
シエル
ほんっと最低、、、月帆 行こ
そっからのことはあまり覚えていない
気づいたら部屋のベッドの上で泣いていた
横には静空もノヴァも居て
そのぬくもりが私にとって暖かかった
シエル
シエル
ねぇ月帆
言えたらでいいんだけど、貴方の家族と貴方に何があったか教えて?
セレネ
セレネ
グスっ、、、分かった、、、、
あれは12さいのころ
夏休み期間中ですごく暑い日で庭で流しそうめんをしたりしていた
父と母は学校の先生
2つ下の妹もいた
ただの平凡な仲が良い家族
でも、夕方 敵連合が隣の家に放火した
火の回りが早くて私の家もすぐに火に包まれてしまった
隣の家の家族は助けに来た魔法少女に救助された
私達はその人に助けを求めるために 一番運動神経が良かった私に走って呼ばせにいった
でも母ももう自分たちは助からないと思ってせめて娘だけは助けようと私を逃した
妹は足に怪我していてとても走れる状態ではななかった
私はその時まだ幼く、そんなこと知らずに助けを呼びに行った
全身に火傷を負いながらその人に助けてといったけどその人は助けなかった
隣の家の家族を助けたって報道陣の質問に答えていた
必死に助けを求めたけどその声は届くことがなく喉も渇ききって乾いた声しか出なかった

こうなったら自分で助けようと戻ったけどもう手遅れで
そこにあったのは
3人で抱き合って人生の最後を迎えた自分の家族の姿だった
私はその時悟った
母は私だけ助けてくれたんだと
同時に助けなかった魔法少女と残らなかった自分に対して怒りが湧いてきて
その場で崩れ落ちた
その後、私は全身に火傷して、病院で入院しているときにひっそりと家族のお葬式が行われた

ここ魔法少女育成学校に入るまでは親戚の家を転々としてきた
どうせ魔法少女は自分たちの評判だけしか考えない
いつからかそう思うようになった
だからこそ、こんな思いする子が一人も居なくなるようにこの学校に入った

ほとんどの生徒は目立ちたいとかいう理由で入ってきてるけど
セレネ
セレネ
これが、私の過去
シエル
シエル
、、、
ノヴァ
ノヴァ
、、、
シエル
シエル
月帆
泣いて
セレネ
セレネ
え?
シエル
シエル
辛かったんでしょ
セレネ
セレネ
シエル
シエル
ほら
静空が手を広げて月帆を抱きしめる
シエル
シエル
思いっきり泣きな
セレネ
セレネ
でも、、、グスっ
シエル
シエル
大丈夫
セレネ
セレネ
うわぁぁぁぁぁぁあああああん
その日、私は2回も涙を流した
あの日以来一度も泣いたことがなかったのに

静空の温もりは母みたいな安心感があった

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