第10話

Next mission.
230
2026/01/11 11:00 更新
今日は、
前回放置して帰ってきた、少年の所へいく。
義爛
今日こそは保護者も同伴だぜ。
あなた
そう来なくちゃね
通された部屋の中。

目の前には、
おじ様と言う言葉が似合いそうな人間と、
少年が座っていた
あなた
こんにちは。
前回は、治せなくてごめんね。
少年に声をかける。
志村転弧
こちらを睨みつけている様だが、
これぐらいで私は揺るがない。
あなた
そこの貴方もよろしくお願いします。
AFO
そうだねぇ。
よろしく。
握手を求めてきた。
あなた
申し訳ないけど、
患者以外には触れない様
にしてるんです。
AFO
それは残念だ。
あなた
ところで、その子の名前は?
AFO
死柄木弔。
僕がつけた名前さ。
彼が名前をつけたのは確定だな。
あなた
前の名前とか知ってます?
世間話ですけど、
AFO
知っているけれど、
彼の前で言うのは酷ではないかい?
あなた
そうですね。
あなた
ちなみに貴方の名前は?
AFO
僕はAFOと友達に呼ばれているよ。
本当の様だ。
名前は個性を使う上ではあまり必要がない。
周りに友達が多ければもっと必要がない。

他の事を聞いてみよう。
あなた
彼と話してみても?
AFO
その前に君も人に名前を聞くなら、
答えるべきじゃないかい?
あなた
言いません。
契約上の書類を見てください。
12番目に書いているはずです。
そして、できる限りの情報提示も
8つ目に書いています。
義爛
そんなに言い争わないでくださいよ。
お客様。
ちょっとちょっと、と、義蘭が
言い争いそうになったところを助けてくれた。

今回だけは感謝かも。
あなた
1時間ぐらい彼と話させてください。
AFO
弔、行っておいで。
義蘭が別に用意していた部屋に通される。

そこには、玩具などいろいろなものがあった。
お絵描き用のクレヨンや、小さな滑り台。
他にも、小さなボールなど、
どんな子供でも何かは絶対に楽しめる
空間になっていた。
あなた
怖がらせてごめんよ。
さっきの雰囲気とは違って、優しい口調に、
空気が一気に柔らかくなる。

私のガスマスクも相まって、
この空間が異質な物へと変わっていった。
あなた
何して遊ぶ?
私の手にはお人形さんやボールなどが入った、
おもちゃボックスが、握られている。

こうやって、好きなものを選んでもらうだけで、相手のことを知ることができるのだ。
志村転弧
これ
あなた
コーギーのぬいぐるみ?
可愛いよね!
志村転弧
うん。
ちょっとだけ顔色が良くなっている様な気がする。

だが、ぬいぐるみを、
渡そうとすると手を引っ込めてしまう。
あなた
どうした?
人形ごっこしないの?
志村転弧
手で触ると壊れちゃう。
あなた
また、買って貰えばいいんだ。
なんなら、壊しまくろうぜ!
私は他の人形を手に取って、
顔を伸ばしたり縮めたりして、
少し乱暴に扱ってみた。
志村転弧
うん!
それからと言うもの、
おもちゃは手で触って崩壊してしまう。

最初の何回は申し訳なさそうにしていたが、
私の何も気にせずに一緒に遊ぶ姿を見て、
壊しても次を持ってくる、
執着のしない遊び方を覚えた。

怪獣とヒーローが戦う物語なのか、
ガンッ  とか  ドスッ  とか ヒューン
とかの効果音を口で行っている姿が愛らしい。
私も怪獣役をしながら一緒に遊んでいる。


崩壊しない様に遊ぶ事を覚えたりと、
成長した時期でさえも記録として情報になるので、
この子を一時的に回復させてあげられるぐらいには、
情報が集まった。
次はすごろくで遊ぶ様だ。

ファミリー用のすごろくで、
マス目には、
「隣の人とジャンケンしたら…」

などのことが書いている。

握手をするなどバリエーションは豊富。

あなた
私の番ね!
あなた
6出ろ6出ろ…
せいッ
私は、赤い一つの点と目が合う。

くそぅなんて言って、マス目の指示を見てみる。
あなた
え〜と…?
左隣の人とハグ?
あなた
二人しかいないから、
左隣は弔君だけだよ。
志村転弧
無理だよ。
壊しちゃう。さっき見たでしょ。
あなた
じゃあ、このマスは無しね…
志村転弧
うん。
やはり、子供は人と触れ合うことで成長するのだろう。
寂しそうでなんだか見てられない。

一か八か、試してみるのもありだとは思う。
崩壊の個性も、
直せるものだと思うから。

もし治せそうにないならば、
腕から切断して、新しく腕を生やせばいい。
あなた
と、見せかけて、
不意打ちのぎゅー!
志村転弧
わぁ…!
ダメ、離れろ!
慌てて、触れてしまった片手を離した。

どうやら、崩壊の個性は、
私の回復の個性よりもスピードが遅いらしい。

またまた有益な情報。
志村転弧
あれ、なんで、
壊れてない!?
あなた
私は強いんだよ。
だから何回でも飛びかかってこい!
私は手を広げて、あぐらをかいている。

そこには温もりが。
彼が、この中にすっぽりとおさまり、
泣きながら抱きついてきた。


やっと彼は人間になった様な気がした。


そして私は彼を抱きしめて手で触れる。
みるみるうちに、彼の乾燥した肌や、
爪で引っ掻いた古傷などが治っていく。
志村転弧
魔法みたい!グスッ
涙ぐみながら抱きついて顔をキラキラとさせる彼は、
これまでの人生で一番綺麗な笑顔を
していたんだと思う。
次回 look me…please?


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