夜 、 窓 の 外 は 雨 。 仕事 を 終えて 帰る と 、
部屋 の 明かり が ついて いた 。
ソファ から 立ち 上がった 元貴 は 、 笑う より 先 に 、
まっすぐ こっち に 来て 、 そのまま —— ぎ ゅ う 。
言い 訳 みたい に 言う けど 、 腕 の 力 は ゆるめ ない 。
コート も 脱がせて くれ ない まま 、
額 を 肩 に 押し つけて くる 。
小さく 、 でも 確実 に 聞こえる 声 。
夕飯 を 食べ 終わって 、 二人 で ソファ に 並ぶ 。
映画 を 流した はず なの に 、
開始 10 分 で 彼 は もう 集中 して ない 。 距離 が 、 近い 。
肩 と 肩 が くっついて 、 気づけば 太もも まで 触れてる 。
そう 言って 、 に へ っ と 笑う 。
次 の 瞬間 、 腕 に 絡み ついて 、 頭 を 肩 に 乗せて くる 。
犬 だ 。
完全 に 、 飼い 主 の 隣 を 陣取る 犬 。
スマホ を 触ろう と すると 、 指先 に 何か が 絡む 。
彼 の 指 。 何 も 言わず 、 ただ 絡めて 、
ゆっくり 撫でる 。
離そう と する と 、 指 を ぎゅっと 握り 返して くる 。
ちょっと 拗ねた 目 で 見上げて くる の 、 ずるい 。
雨 の 音 が 強くなって 、 部屋 が より 静か に なる 。
一瞬 言葉 を 探して 、
小さく 息 を 吸って から 続ける 。
その まま 、 私 の 服 の 裾 を き ゅ っ と 掴む 。
髪 を 撫でる と 、
目 を 細めて 、 完全 に リラックス 。
頭 を 撫でる 手 を 強める と 、
満足 そう に 喉 を 鳴らす みたい に 笑う 。
映画 が 終わる 頃 、 彼 は もう 半分 寝てる 。
それ でも 、 腕 と 脚 は しっかり 絡めた まま 。
「重い から どく よ 」 って 言う と 、 即 、 目 を 開ける 。
ぎ ゅ っ と 抱き 直して 、 私 の 首元 に 顔 を 埋める 。
照れた 声 で そう 言って 、
安心 した みたい に また 目 を 閉じる 。
外 は まだ 雨 。 でも 部屋 の 中 は 、 静か で 、
あったかくて 、 一晩 中 、 離れ そう に ない 。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!