夜 、 窓 の 外 は 雨 。
仕事 を 終えて 帰る と 、 部屋 の 明かり が ついて いた 。
元貴「おかえり 」
ソファ から 立ち 上がった 元貴 は 、
笑う より 先 に 、 まっすぐ こっち に 来て 、
そのまま —— ぎ ゅ う 。
あなた「ちょ 、 近い 」
元貴「だって 今日 長かった でしょ 」
言い 訳 みたい に 言う けど 、
腕 の 力 は ゆるめ ない 。
コート も 脱がせて くれ ない まま 、
額 を 肩 に 押し つけて くる 。
元貴「…… 会い たかった 」
小さく 、 でも 確実 に 聞こえる 声 。
夕飯 を 食べ 終わって 、
二人 で ソファ に 並ぶ 。
映画 を 流した はず なの に 、
開始 10 分 で 彼 は もう 集中 して ない 。
距離 が 、 近い 。
肩 と 肩 が くっついて 、
気づけば 太もも まで 触れてる 。
あなた「映画 見ない の ? 」
元貴「見てる よ 」
あなた「絶対 見て ない でしょ 」
元貴「あなた 見てる 」
そう 言って 、 に へ っ と 笑う 。
次 の 瞬間 、
腕 に 絡み ついて 、 頭 を 肩 に 乗せて くる 。
元貴「…… 重い ? 」
あなた「聞く 前 に 乗ってる じゃん 」
元貴「でも 降りる の やだから 、 一応 聞いた 」
犬 だ 。
完全 に 、 飼い 主 の 隣 を 陣取る 犬 。
スマホ を 触ろう と すると 、
指先 に 何か が 絡む 。
彼 の 指 。
何 も 言わず 、
ただ 絡めて 、
ゆっくり 撫でる 。
あなた「なに してん の 」
元貴「安心 してる 」
あなた「どういう 状態 」
元貴「ここ に いる って 確認 」
離そう と する と 、
指 を ぎゅっと 握り 返して くる 。
元貴「離れ ない で 」
あなた「今 すぐ どこ に も 行か ない よ 」
元貴「それ でも 」
ちょっと 拗ねた 目 で 見上げて くる の 、 ずるい 。
雨 の 音 が 強くなって 、
部屋 が より 静か に なる 。
元貴「今日 さ 」
あなた「うん 」
元貴「外 で いっ ぱい 人 に 会った から さ 」
一瞬 言葉 を 探して 、
小さく 息 を 吸って から 続ける 。
元貴「帰って きて 、 あなた が いる の が 一番 好き 」
その まま 、
私 の 服 の 裾 を き ゅ っ と 掴む 。
元貴「撫でて いい ? 」
あなた「聞く 意味 ある ? 」
元貴「ない けど 」
髪 を 撫でる と 、
目 を 細めて 、 完全 に リラックス 。
元貴「…… ねえ 」
あなた「なに 」
元貴「今日 、 俺 いい子 だった ? 」
あなた「何 基準 ? 」
元貴「寂し かった けど 我慢 した 」
頭 を 撫でる 手 を 強める と 、
満足 そう に 喉 を 鳴らす みたい に 笑う 。
映画 が 終わる 頃 、
彼 は もう 半分 寝てる 。
それ でも 、
腕 と 脚 は しっかり 絡めた まま 。
「重い から どく よ 」 って 言う と 、
即 、 目 を 開ける 。
元貴「やだ 」
あなた「寝る んでしょ 」
元貴「一緒 に 」
ぎ ゅ っ と 抱き 直して 、
私 の 首元 に 顔 を 埋める 。
元貴「ここ が いい 」
あなた「犬 か 」
元貴「うん 。 君 の 」
照れた 声 で そう 言って 、
安心 した みたい に また 目 を 閉じる 。
外 は まだ 雨 。
でも 部屋 の 中 は 、
静か で 、 あったかくて 、
一晩 中 、 離れ そう に ない 。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。