第14話

忍ぶ恋の帳、揺らぐ戸の音①
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2025/04/23 01:17 更新
障子越しの灯りが、ゆらりと揺れている。
重なり合う影が、畳の上に淡く浮かぶ。

沖田総司の腕の中、あなたは目を細めて彼の温もりに身を寄せていた。
沖田総司
……ねえ、あなたちゃん
今だけは、誰にも邪魔されたくないね
あなた
そうですね……
ずっと、ふたりでいたいです…
その言葉に、沖田は少し笑って、首筋に唇を落とす。

もう少し、この時間が続いてほしい――そんな願いを込めるように、そっと触れ合った瞬間だった。

コツ、コツ……

不意に、廊下を歩く足音が近づいてきた。
沖田総司
……っ
瞬間、彼の身体がこわばる。
あなた
そ、総司さん……
沖田は静かに指を立てて、あなたに声を出さぬよう促す。
障子の外で、誰かが足を止めた気配がした。
原田左之助
おーい、総司、いるか?
沖田総司
……ちっ
声にならない舌打ちとともに、沖田は慌ててあなたの羽織を自分の布団の下に押し込み、あなたを抱き寄せるように隠す。
あなた
どうしよう、見つかったら……
沖田総司
大丈夫。君のこと、誰にも渡す気ないから
そうささやいたその唇が、緊張の中でも優しく触れる。
外ではまだ、左之助の足音が戸の前をうろついている。
原田左之助
寝てるのか……。なら、明日にするか

ようやく、その声とともに足音が遠ざかっていった。

ふたりはしばし息をひそめたまま動かず、互いの鼓動だけを感じ合っていた。
沖田総司
……ほらね、平気だった
あなた
もう……心臓がまだドキドキしてる
沖田総司
僕のせい? それとも……その前の続きのせいかな?
くすりと笑う沖田の唇が、あなたの耳元にそっと触れた。
空気はまだ熱を含んでいて、戸の外に誰もいないことを確かめるように、ふたりの間に再び静かな熱が宿っていった。

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