「好き」という言葉は普通、そんなに軽々しく言うものなのだろうか。
俺の腕の中でSNSを見る彼女は、すぐなんでも好きと言う。
最近流行りのカフェに、可愛い犬、おしゃれな服も。
気持ちはわかるよ。
だってそれはどれも素敵なものばかりだし、見てて癒されるから。
俺だって空とか海の写真見るのとか好きだし。
でもさ、そのエンチームとかゼベワンとかいうアイドルにまで言わなくていいんじゃない?
だって別に推してるわけじゃないんでしょ。
あなたちゃん、大体5通りぐらいのアイドルの名前出して好きって言ってるけど本当に好きなのかな。
後その好きはちゃんと彼氏である俺に対する好きとちゃんと違うのかな。
、、、モヤモヤする。
ねぇあなたちゃん、今のは地雷だよ。
地雷を思いっきり高いところから両足ジャンプで踏んだようなもんだよ。
もうこの意図を理解していないような返し方、、俺とそのアイドルに対する好きが同じみたいじゃんか、、
むぎゅむぎゅむぎゅと彼女の首筋に頭を擦り付ける。
悔しいからあなたちゃんが嫌がるぐらい強くやってやった。
それから約一ヶ月が経った。
言うまでのことでもないから、モヤモヤは胸にしまっておくことにしても、仕事も忙しくて特に何も問題はなかった。
今日、俺の彼女はアイドルのコンサートに行くらしい。
なんでもVIP席が当たったとかで。
まあ最初にそれを聞いた一ヶ月前はファンクラブまで入ってたのかとちょっと落ち込みはしたけど、時間が解決してくれて今はもうなんとも思っていない。多分。
んーっと座り続けてガッチガチの体を伸ばしていると上から覗き込むソンホヒョンと目が合う。
そしてまたひたすらエクセルとにらめっこをする。
、最近キラキラネームの名前の人多すぎない?
名簿の漢字変換めっちゃ時間かかるんだけど、、
、、あー、、帰れるかなこれ。
案の定タスクを終わらせるのに時間がかかり、指定された居酒屋に着いたのは予定の時間の40分後だった。
キンキンに冷やされたジョッキに入ったビールを勢いよく喉に流し込む。
最初は苦いと感じていたビールも美味しく感じられるなんて、もう一ミリも子供じゃないんだよなとか思う。
俺がジョッキを机に置くと、テサンが待ってましたと言わんばかりに軽く息を吸ってマシンガンのように喋り片方の口角を上げる。
始めてあなたちゃんに会った時、この子の世界は輝いている、そう思った。
「ありがとう」とか「好き」とか全部素直に言えるのがあなたちゃんのいいとこだから。
俺だけ好きでいて欲しいとかいう勝手な独占欲なんかでそれを壊せないでしょ。
だから諦めたの。
それでも好きだし。
ていうかそんなあなたちゃんだから好きだから。
ふーんとか興味なさげにしておきながらそれ知って何になるんだみたいな質問をソンホヒョンがしてくる。
行ってますよ。他の男のライブに!!
ニヤッとソンホヒョンが笑う。
ソンホヒョンはいつもテサンにからかいすぎとかいって止めているけど言うてこの人も天然爆弾だ。
悪気なく痛いところをついてくる。
ソンホヒョンの質問に頷いて返すとテサンが枝豆を口に持っていきながらそう言う。
ジョッキに残ったビールを勢いよく煽るとすぐに酒が回るのを感じる。
もー、今日ぐらい言っちゃうからねもう
喋りすぎて疲れてきた、、
だってだって、、はぁ、
その後もコロコロも話を変えながら飲みは夜遅くまで続いた。
12時前に家にやっとのことで着くと、レースのついた可愛らしいスニーカーが玄関にある。
もうとっくにあなたちゃんも帰宅しているのだ。
家に上がるとひょこっと洗面所からパジャマ姿のあなたちゃんが姿を現す。
手を洗ってからソファに腰掛け、あなたちゃんの話を聞く。
VIPの中でも三列目ってすごく近いね、楽しそう。
冷めやらぬ興奮から、あなたちゃんがものすごい勢いで喋り倒す。
違うの。俺聞きたくないよ。その話。
我慢してるの。ライブに行ったことも正直言うと。
だからさ、もう言わせないでよ、、
横に座る彼女にコテンと頭をのっけながら言う。
これが本音。
好きなのは否定しないよ。
でもだから俺の前だけでいいから俺のことだけ見ててくれないかな。
そいつのことはお友達に話すなりSNSにあげるならして欲しいんだ。俺に話すんじゃなくて。
あなたちゃんが俺の頭を優しくどけ、ソファの上向き合うように座り直す。
唇を尖らせて不満を表す。
じゃあそう言ってよねまったく。
ぶわっとあなたちゃんの顔が赤くなる。
ちょっと満足。
久しぶりにこんなに照れてる彼女見たかも。
「愛してる!」なんて可愛いこと言ったと思ったら、頬にチュッとキスを落とされる。
これは想定外。
でも大満足。
自分で言ったくせにまた照れてる彼女。
そんなとこが可愛くて愛おしい。
チュッ
今度は口に俺からキスをする。
やっぱりほっぺじゃ物足りないもん。
数秒お互いを見つめあって小っ恥ずかしくなって笑みが溢れる。
好きじゃなくて愛してる。
それがわかっただけで満足かもしれない。
end
お久しぶりです。リクエストの嫉妬イハンさんでした。
⭐︎1500↑ありがとうございます。
そして突然ですが、インスタでちゃんとオタク用のアカウントを作ったのでよかったら繋がってください🪽
@jageun.bom09
というアカウントです。
私のプリ小説のプロフィールのところからも飛べるのでよろしければお願いいたします。
皆さんとの出会い楽しみにしてます💖
リクエストやコメントもお願いします。たくさんお話ししましょ🥺
















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。