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第1話

WONWOO🦊
1,351
2024/03/23 07:58 更新
あなた
んーと…
これが電源かな?
それらしきボタンを押してみると
テレビにスタート画面が現れた。


慣れない手つきでコントローラーを握り
なんとなくの勘で操作をしてみる。
あなた
お、なんかやれそう
だけど、いつも横で見ているのに
いざ自分がやってみると勝手が全然違う。
あなた
えっ、あれ?あー…失敗
あなた
もう、なんで?
ここが…こう?
シューティングゲームっていうの?こういうの。
どうやら私の性に合わないらしく
何度やっても失敗するし、全然面白くない。
好きな人の好きなものなら
私だって好きになりたいけど…

「お前もやってみる?」と
何度となく誘われては、気乗りしなくて
「ううん、いい」と断って
いつも横で見ているだけ。

楽しそうにしている彼を見ているだけでも
十分楽しいから私はそれでいいけど
一緒にできたらもっと楽しいのかな、と
思い立ったものの…
あなた
よし、もう1回
ゲームしてると独り言すごい出るの
なんでなんだろ、と思いながら
コントローラーを握り直すと、
ウォヌ
あれ、何してるの
珍しいね
いつの間にかお風呂から出てきていたウォヌが
急に後ろから声をかけてきた。
あなた
あっ、えっと
早かったね?お風呂
ウォヌ
別にいつもと変わんないけど?
どうしたの、急にゲームなんか始めて
そう言いながら近づいてくると
床に座った私の後ろから
ウォヌの両腕が回ってくる。

手足の長い彼に後ろからすっぽりと包まれると
まるで小さな子どもになったような
気分になる一方で、未だにドキドキしてしまって

もうゲームどころじゃない。
ウォヌ
ほら、手止まってるよ
また失敗
あなた
あ、暑くないの?お風呂上がりなのに
そんなにくっついたりして
ウォヌ
暑い
あなた
だったら…
ウォヌ
なに、離れてほしいの?
そんなにゲームの方がいいんだ
あなた
違うよ…ゲームは
実はあんまり楽しくなくて
ウォヌ
だろうね。見てればわかるよ
へたすぎるしうまくなる気ないでしょ
なのにどうして急に始めたりしたの?
後ろから顔を覗き込むようにして
頬を寄せてくると、視界に入った彼の顔は
汗ばんでいて本当に暑そうだ。

メガネなんか曇っちゃってるし…
あなた
ウォヌがいつも楽しそうにやってるから
楽しいのかなぁと思ってやってみたの
ウォヌが好きなものだったら
私だって好きになりたいもん
ウォヌ
ふーん…
ウォヌの両腕にギュッと力が入る。
ウォヌ
可愛いこと言うね
あなた
でも、やっぱり楽しくなかった。
残念だけど
ウォヌ
無理に同じもの好きになることないよ
それに
後ろから私を抱きしめたまま
楽しそうに左右にゆらゆら揺れながら
ウォヌは言った。
ウォヌ
俺がゲームしてるところをお前が
楽しそうに見てるの
けっこう好きだしね
…なんだ。

無理することなかった。
あなた
それは何となく分かる。
私が料理してるところをウォヌが
じーっと見てるの、私も好きだもん
一緒にやってくれなくても
ウォヌ
それは、手伝ってくれないの?とか
思ったりしないの?
あなた
たまーに思うけど
しないでしょ?絶対
ウォヌ
絶対とは心外なんだけど…
ま、俺じゃ役に立たないよ。
せっかくの美味しいごはんが
台無しになるだけだからさ
あなた
物は言いようだよね…
ウォヌ
じゃ、今日の夕飯の皿洗いするから
それで許してくれる?
そう言いながら私からコントローラーを
取り上げて、結局続きをするつもりみたい。

暑いのにずっとくっついてたりして
口には出さないけどちょっと甘えん坊で
子どもみたい。

そっと彼から離れて、やっぱり私の役目は
こっちかな、と思いながらキッチンに向かうと
ウォヌ
あっっっ?!?!?!
ウォヌが珍しく焦った様子で
大声を出した。
あなた
どしたの?!
ウォヌ
お前これ…もしかして
俺のセーブデータでやった…?
あなた
……?
よくわかんないけどボタン押したら
始まったからそれで…ダメだった?
ウォヌ
いや…うん。いいんだけど
データ書き変わってて
これまでの記録は全部消えちゃってる…
あなた
えっ?!
よく分かんないけどごめん!!
それはもうどうにもならないやつ?!
ウォヌ
…大丈夫
また最初からやればいいだけだし
はぁ…やっぱりお前は一生横で見てて
あなた
一生?
ウォヌ
そ、一生


~𝐄𝐍𝐃~

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