これは切ない2人の恋のお話
コンコン
🍑"入りますよ"
重い扉をゆっくり開けて静かに入ってきたのは、僕の執事ジェヒョンだ
物心ついた時にはもう彼は僕の傍にいた
僕より3つ歳が上で、僕より少し背が高い
でも僕よりずーっと大人っぽくて、僕より真面目だ
僕はこの国を収める王子の跡取りとして生まれた
そのせいで、この執事と未来の王子という関係は切っても切り離すことが出来ない関係なんだ
🐨"おはよぉ"
🍑"おはようございますジェミン様"
様呼びなんて、敬語なんて使わなくてもいいのに
堅苦しい敬語やジェミン様っていう呼び方はいつまで経っても気に入らない
でも今まで何百回も言って来たけど、直すことは無いし無駄なだけ
さすがにもう諦めた
🍑"ジェミン様、お父様がお呼びです"
🐨"え?まじか"
まぁ、大体内容の予想は着く
どうせ結婚の話だろう
何回説得されても僕の答えは変わらないのに
🐨"ヒョンは?一緒に来る?"
🍑"残念ながら、ジェミンさま1人で来させるように言われていて…"
🐨"じゃー途中まで一緒に来て?"
🍑"もちろんです"
そう言ってヒョンは優しく微笑んだ
🐨"だから!!!俺は好きでもない人と結婚なんてしない!!!"
👑"わがままを言うな!!!この国の未来はお前に託されているんだ!"
🐨"じゃあヒョンと結婚させて"
👑"ふざけた事を言うな、あいつはただの執事だろう?変な気を寄せるんじゃない"
🐨"俺本気だよ。本気でヒョンが好きなの。ヒョンと結婚できないなら跡継ぎは辞める"
👑"戯言はいい加減にして、現実を見ろ。もうお前は大人なんだ。"
🐨"………"
👑"もういい、部屋に戻れ"
🍑"ジェミン様、大丈夫ですか?"
悔しい、悔しい悔しい悔しい
なんで平民たちは好きな人と結婚して、好きな人と一生を生きれるのに、なんで僕だけこんな目に遭わなきゃいけないんだ
好きでもない人と結婚して、やりたくもない王子の仕事をして一生を終えるなんて
🐨"…監獄みたいだ"
🍑"ジェミン様?"
ヒョンの優しい眼差しも、僕を呼ぶ声も、今の僕には全部が辛い
こんなにも好きなのに、愛しているのに
なんで届かない?この気持ちはどこに捨てればいい?
🐨"ヒョン、好き…"
🐨"大好き"
🍑"………"
ずるいよヒョンは、そうやって困った顔で笑うだけ
僕知ってるのに
ヒョンが僕のことを好きなこと
ヒョンの日記に書いてあった
『ジェミナを愛してる』って
この目で見たのに
無力な僕は、ただ涙を流すことしか出来なかった
🐨"ひょん、そばにいて…ひょん…"
🍑"そばに居ますよ。"
🐨"ひょん、きすして、…"
🍑"……それはいけません…"
🐨"…僕のこと愛してるんでしょ?…"
🍑"…えぇ、心から愛しています"
🐨"ならっ!!!………"
🐨"……ごめん…"
🍑"…代わりに、抱きしめさせてください"
🐨"…ん、"
🍑"愛してる…ジェミナ、"
🐨"……うん…"
長い夜は明ける
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!