あの飲み会以降もメンバー …
特にリーダーらしき紫の男からは
しつこく勧誘される日々が続いた
何度断っても直談判を止めず 、
最初のうちは同伴していたメンバーたちも
微動だにしない私の決意に諦めたのか
いつの間にか来なくなったがこの男だけは
諦めず何度も私に声をかけてきた
そうやっていつも辛辣な言葉で
突き返すと彼は苦そうな 、
何が言いたげな顔をしながら下を俯く
でもさすが諦めを知らない男だ
直ぐに覚悟を決めた顔つきで私を
まっすぐと見つめ返してくる
今思えば割と年上の男にここまで
傲慢だった私も私だったが
これがまた本当にしつこかったのだ
こんな生活が長く続くとさすがの
私でも一瞬揺らいでしまう時もあった
騒がしい奴らとの飲み会
昔のゲーム友達がまさかアイドルで
あの男たちの先輩となる立ち位置に
なるだなんて知らなかった私は
ずっと断っていた飲みの誘いをOKした
いつもおちゃらけたまぜ太の口から
でた言葉は意外にも真面目で
私の心にも密かに刺さった
あの時の3人はなんだかいつもの
わちゃわちゃのはずなのにどこか
真面目で私を沢山説得してくれた
無理強いはしなかったけど
勿体ないと私の才能を褒めてくれて
いま思えばかなり有頂天になっていたと思う
うるさいけどこういう時はまるで
実の兄みたいに面倒見のいい人達だ
心音からの説得や彼らとの飲み会を経て
少しこれからの道について
深く考えてみるようになった
本当にこのままでいいのか
本当はまだどこかで歌いたい気持ちが
アイドルへの希望が捨てきれて
いないんじゃないかと悩む毎日だった
そんなとある日のこと ─────────
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!