図星だった。
昨日のないこの姿だって、少し血が
着いているだけでいつもと変わらなかった。
けど、俺は雰囲気から別の者だと感じていたのを
思い出した。
…それを正直に話したら、こいつらはどんな
反応をするのだろうか。
ないこは、吸血鬼はどう動くのだろうか。
できることなら今すぐにでも言って
助けを求めたい。
けど、ああやって脅されてしまった以上
俺は言ったら何されるかわからない恐怖に
怯えながら生活しなければいけなくなる。
ただでさえ怖いものが苦手な俺にとっては
まさに地獄である。
故に俺は黙ってこの場をやり過ごすしかない。
この話にも一区切りついたところで、
俺はさっきから疑問に思っていたことを
聞くことにした。
つまり、こいつらの狙いは吸血鬼である
ないこ ってことか…。
もしないこが吸血鬼だと言った場合、
彼らは殺される。
けど、そう簡単に殺せる訳でもないだろう。
もちろん、吸血鬼としての強さもあるのだろうが
それ以前に俺たちは活動者だ。
突然死んだとリスナーに知らせては
悲しむ人が大勢出てくるだろう。
無論俺らもだ。一緒にやってきたライバルが
居なくなって悲しまないやつがいるのだろうか。
こうして俺は余計に黙っておかないといけなく
なったわけか…。
昨日のないこもそれを見通して…?
ほとけの声ではっと我に返った。
どうやら考えに浸りすぎていたみたいだ。
いつも別れる時のようにぶんぶん手を振るこさめ
俺も軽く手を振り返して玄関のドアを閉めた。
その瞬間、閉めたドアの方から、
昨日感じたのとはまた別の、
人外の気配がした。













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。