天秤と書いて"てんびん"と読む。
それは物理的、心理的"平等"を意味するもの。
のーとの能力、"天秤"と言う能力は現在、2種類
存在していた。
まず、一つは心理的もの…
裁判や法律を自らが制定して動かす能力。
頭が非常に良く、全ての法律が頭に書き留められて
いなければ、使用が不可能である。
そして、もう一つは物理的なもの…
これが、のーとが持っている、特別な力…いわば
"天のめぐみだった。"
ピト…
その瞬間、のーとは微笑みながら、そっと
風神に触れた。
次の瞬間だった。
一気に体が重くなり、風の制御が出来なくなった
そして焦った風神は、一声大きく唸ると自力で
重力を破ろうとした。
が、しかし中々抜け出す事が出来ない。
突然、空の方から刃のように鋭い雪の結晶が
一斉に降り注ぎ、凛の頬を一瞬のうちに切り裂いて
ツーと血が滲む。
後、一足遅ければ頬だけではなく体まで
切り裂かれるような勢いだった。
そして凛と弧風は一旦、冷静になり急いで風神から離れて
行くが、さらに下からゴォォと言う音をたてて
巨大な波…いや、海のようなものが下からどんどん迫って
きた。
その海は青色ではなく、暗めの紫色をしており
いかにも禍々しく…
そしてどんどん広がり天界中を囲うように大きく
なる。
今まで、ルマと一緒に建物の影に隠れていた
テルが勢いよく飛び出した。
本来なら、まだ登場するのは後だったが、主戦力である
凛とのーとそして弧風が向こうに行ってしまった時点で
こちらが不利になったのは明確だった。
しかしテルはあれが天界を覆い尽くされては不味いと
皆んなが感じており、咄嗟に動き出してしまう。
テルは少し、ニコっとしながら、鼻で笑う。
今はピンチのはずなのに余裕の笑みだった。
そしてそれを見た、るふぁはプンプン怒り出し
若葉がなだめている。
そうテルが、笑いながら言った瞬間、建物に
隠れていたルマ達がワチャワチャと飛び出してきた。
突然のルマ達が来た事により2人は嘲笑うように
空高く飛びルマ達を見下すが、4人はへっちゃらそうに
ニコニコしている事に正直少し引き気味の様子だった。
テルの号令により、一斉に皆んながそれぞれ
動き出したが、それと同時に巨大な波のせいで
大地が地震のように揺れ出す。
しかし、それを誰も気にも止めようとしない。
そう、最初に動いたのは"こま"だった。
るふぁ達が、テルやミカモンの足元を見ると
足元に水の肉球がついてあり、それがクッションの
ような役割で、地震の揺れを感じさせずに
走っている。
それを見た、若葉は咄嗟に動き出した。
若葉は、すぐさまよく雪の結晶を作り出して
こまへダメージを与えにいくが、こまは簡単に
宙返りして避けて、次に近くの崩れた瓦礫に
飛び乗って若葉へと接近する。
こまが、空中で浮かんだのを見計らい
すぐさま若葉は、雪の結晶で攻撃をした。
雪はこまに見事に命中すると、体の一部分を
凍らせた。
若葉は、こまをじっと見つめる。
が、しかし…その瞬間の出来事だった。
こまの後ろから、テルが飛び出してきたのだ。
思いもよらぬ展開に、若葉は焦り止まってしまう。
テルの手元には明るい太陽のような、まるで
巨大な猛獣…ライオンが飛び出くる。
若葉はその瞬間に、急いで雪の結晶を作り出そうと
するが、いとも簡単に雪は溶けて、見事に
獅子が若葉に襲いかかった。
ように、見えたが…
その炎の獅子は、猛スピードで
あの巨大な波へと向かっていったのだ。
さらに、向こうで待機していたミカモンが
飛び出して、大きく深呼吸した後、目を見開き
地面を大きく踏むと、溶岩が辺り一面から
這い出てきた。
溶岩は大きく膨らむようにして壁を築きあげ
波を阻止する。
そして、その直後…
テルの能力により火炎獅子が、波に飛び込むと
ミカモンの溶岩と獅子による物凄い高温で
一気に波が蒸発していくのだった。
風神がそう小さく呟く。
そしてまだ、天宮の鐘は鳴り響いているのだった。





















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。