第24話

暴風の決戦 弍
228
2023/08/20 09:19 更新
天秤と書いて"てんびん"と読む。



それは物理的、心理的"平等"を意味するもの。


のーとの能力、"天秤"と言う能力は現在、2種類
存在していた。

まず、一つは心理的もの…
裁判や法律を自らが制定して動かす能力。
頭が非常に良く、全ての法律が頭に書き留められて
いなければ、使用が不可能である。



そして、もう一つは物理的なもの…

これが、のーとが持っている、特別な力…いわば
"天のめぐみオリジナル能力だった。"
神楽葵¿
はっ!
近づいた所で妾に何の…




ピト…





その瞬間、のーとは微笑みながら、そっと
風神に触れた。

次の瞬間だった。

神楽葵¿
あ、あれ…?
神楽葵¿
わ、妾のか、か、体が…な、何か…
のーと
のーと
私の能力"天秤" は触ったもの二つの
重さを平等にする能力さ!
神楽葵¿
は、はぁ?
のーと
のーと
ほら、さっき私はこの建物を触った。
で、次に風神に触った…
そして、私が能力を発動すると君の体重が
この建物と同じ体重になるっていう仕組みだ。
青木 凛
青木 凛
つまり、重力系統の能力か…
のーと
のーと
まぁ、その代わり…
回りにもかなりの影響を及ぼすし
下手するとペシャンコだけどね…
一気に体が重くなり、風の制御が出来なくなった

そして焦った風神は、一声大きく唸ると自力で
重力を破ろうとした。



が、しかし中々抜け出す事が出来ない。
青木 凛
青木 凛
とりあえず、大人しくこの戒めの
鎖に…
若葉 鈴雪
若葉 鈴雪
そうはさせないよ。
白野弧風
白野弧風
凛さん!
危ない!!!
青木 凛
青木 凛
!?
突然、空の方から刃のように鋭い雪の結晶が
一斉に降り注ぎ、凛の頬を一瞬のうちに切り裂いて
ツーと血が滲む。

後、一足遅ければ頬だけではなく体まで
切り裂かれるような勢いだった。


そして凛と弧風は一旦、冷静になり急いで風神から離れて
行くが、さらに下からゴォォと言う音をたてて
巨大な波…いや、海のようなものが下からどんどん迫って
きた。

その海は青色ではなく、暗めの紫色をしており
いかにも禍々しく…

そしてどんどん広がり天界中を囲うように大きく
なる。
テル
テル
オレが何とかする!
ルマ
ルマ
テルテル!?
ミカモン
ミカモン
ご主人!!?
こま
こま
テルちゃん!!?
今まで、ルマと一緒に建物の影に隠れていた
テルが勢いよく飛び出した。

本来なら、まだ登場するのは後だったが、主戦力である
凛とのーとそして弧風が向こうに行ってしまった時点で
こちらが不利になったのは明確だった。

しかしテルはあれが天界を覆い尽くされては不味いと
皆んなが感じており、咄嗟に動き出してしまう。
テル
テル
ッ〜!?
何のこれしき!
神月るふぁ
神月るふぁ
それはどうかな〜?
テル
テル
!!?
神月るふぁ
神月るふぁ
あの波は、私が作り出したの。
あれは物凄い猛毒の水…触れば
即死よ?
テル
テル
フッ…
神月るふぁ
神月るふぁ
な、何よ!鼻で笑うなんて!
若葉 鈴雪
若葉 鈴雪
るふぁ、早くこの子達片付けて
天海を堕とそう。
テルは少し、ニコっとしながら、鼻で笑う。
今はピンチのはずなのに余裕の笑みだった。

そしてそれを見た、るふぁはプンプン怒り出し
若葉がなだめている。
テル
テル
オレは1人じゃない!
"オレ達だ!"

そうテルが、笑いながら言った瞬間、建物に
隠れていたルマ達がワチャワチャと飛び出してきた。
ルマ
ルマ
ルマにお任せあれ〜なのだ!
ミカモン
ミカモン
待ってました!
こま
こま
今行くね〜!!
突然のルマ達が来た事により2人は嘲笑うように
空高く飛びルマ達を見下すが、4人はへっちゃらそうに
ニコニコしている事に正直少し引き気味の様子だった。
神月るふぁ
神月るふぁ
や、やらるものだったら
やってみなさいよ!
若葉 鈴雪
若葉 鈴雪
るふぁ、何か分からないけど
嫌な予感がする…
テル
テル
皆んな!それぞれ位置につくんだ!
こま
こま
了解!
テルの号令により、一斉に皆んながそれぞれ
動き出したが、それと同時に巨大な波のせいで
大地が地震のように揺れ出す。

しかし、それを誰も気にも止めようとしない。

そう、最初に動いたのは"こま"だった。
神月るふぁ
神月るふぁ
ッ…私の波での地震がきかない…!?
若葉 鈴雪
若葉 鈴雪
るふぁ!
こまちゃんを見て!
こま
こま
ふふ!
残念だったね!
こま
こま
私の、能力…"猫足"で皆んなの
動きは身軽になるの!
るふぁ達が、テルやミカモンの足元を見ると
足元に水の肉球がついてあり、それがクッションの
ような役割で、地震の揺れを感じさせずに
走っている。


それを見た、若葉は咄嗟に動き出した。
若葉 鈴雪
若葉 鈴雪
私が止める!
若葉は、すぐさまよく雪の結晶を作り出して
こまへダメージを与えにいくが、こまは簡単に
宙返りして避けて、次に近くの崩れた瓦礫に
飛び乗って若葉へと接近する。
こま
こま
よっと!!
若葉 鈴雪
若葉 鈴雪
ここまでだよ!
こまが、空中で浮かんだのを見計らい
すぐさま若葉は、雪の結晶で攻撃をした。

雪はこまに見事に命中すると、体の一部分を
凍らせた。
こま
こま
う、動けない!?
若葉 鈴雪
若葉 鈴雪
そのままやる!
神月るふぁ
神月るふぁ
待って!!若葉!!!
若葉 鈴雪
若葉 鈴雪
え?
若葉は、こまをじっと見つめる。

が、しかし…その瞬間の出来事だった。


こまの後ろから、テルが飛び出してきたのだ。

思いもよらぬ展開に、若葉は焦り止まってしまう。
テル
テル
オレはこの瞬間を待っていた!
テル
テル
火炎獅子かえんしし!!!
テルの手元には明るい太陽のような、まるで
巨大な猛獣…ライオンが飛び出くる。

若葉はその瞬間に、急いで雪の結晶を作り出そうと
するが、いとも簡単に雪は溶けて、見事に
獅子が若葉に襲いかかった。


ように、見えたが…
若葉 鈴雪
若葉 鈴雪
!?
神月るふぁ
神月るふぁ
えぇ!?
その炎の獅子は、猛スピードで
あの巨大な波へと向かっていったのだ。
神月るふぁ
神月るふぁ
で、でも…それだけじゃ…
ミカモン
ミカモン
まだまだここからです!
さらに、向こうで待機していたミカモンが
飛び出して、大きく深呼吸した後、目を見開き
地面を大きく踏むと、溶岩が辺り一面から
這い出てきた。

溶岩は大きく膨らむようにして壁を築きあげ
波を阻止する。
神月るふぁ
神月るふぁ
う、嘘でしょ…?
若葉 鈴雪
若葉 鈴雪
そ、そんな…



そして、その直後…

テルの能力により火炎獅子が、波に飛び込むと
ミカモンの溶岩と獅子による物凄い高温で
一気に波が蒸発していくのだった。











青木 凛
青木 凛
よしっ!!
こま達が上手くやってくれた!
白野弧風
白野弧風
本当!!?
それなら…後は…
のーと
のーと
この風神を倒すだけだ!!












神楽葵¿
ははッ…
神楽葵¿
お前達は重要なことを見落として
いるのじゃ…
風神がそう小さく呟く。


そしてまだ、天宮の鐘は鳴り響いているのだった。

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