第16話

第15話:再び恐怖
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2025/12/21 10:36 更新
暗闇。
まぶたの裏側に、まだ浴室の寒さが残っていた。
あなた
……っ、は……
私は、少しずつ意識を取り戻した。
頭がズキズキと痛む。
手を動かそうとした瞬間……
ジャラッ。
金属の冷たさが手首に触れた。
目が一気に覚める。
手……足……動かない……?
恐怖に突き動かされるように視線を上げる。
自分の部屋ではないが見覚えのある場所、そう大晴くんの部屋だった
ただし……
ベッドの四隅に固定された手錠に、私の手足が繋がれていた。
大晴
大晴
……おはよう。
如月ちゃん。
目、覚めたんやな。
ホンマ、買っといて良かったわ。
これ。
落ち着いた声で笑う大晴くんが、椅子に座りこちらを見ていた。
あなた
……大晴くん……なんで……こんなこと……?
声が震えて、言葉にならない。
大晴くんは、ゆっくり立ち上がり、何かを楽しむかのようにベッドへ近づいてきた。
大晴
大晴
なんでって……如月ちゃんが悪いんやで。
俺のこと、なんも見てくれへんから……。
ずっと誠也くんと晶哉とばっか仲良くして……
俺、もう我慢できひんかった。
その言葉は優しい調子なのに、温度がまったくなかった。
大晴くんの手が、私の頬に触れる。
優しいようで、逃げられない状況が恐ろしさを増幅させる。
大晴
大晴
俺、如月ちゃんのこと……好きすぎるんよ。
好きすぎて……どうしたらええかわからんようになった。
彼の指が、喉元へゆっくり滑っていく。
やだ……
その先はだめ……!
あなた
……っ、や……
弱々しい声しか出せなかった。
しかし大晴くんは、私の怯えた反応を見て、ふっと歪んだ笑みを浮かべた。
大晴
大晴
あはは……その顔。
如月ちゃん、そんなふうに震えるんや……。
可愛いなぁ……ホンマ。
呼吸が苦しい。
涙が勝手に滲む。
怖い……
助けて……
誰か……!
その頃……
晶哉
晶哉
如月ちゃん、遅いな……
晶哉はソファから立ち上がり、リビングを見渡した。
いない。
どこにもいない。
晶哉
晶哉
お風呂……?
でも、えらい時間かかってるな……
不安が胸をよぎる。
その時、階段を降りてきた誠也が声をかけた。
誠也
誠也
どうしたん、佐野?
晶哉
晶哉
如月ちゃん見てへん?
誠也
誠也
夜ご飯の後から見てへんで。
部屋にもおらんように感じたし……
2人は顔を見合わせる。
嫌な予感が、同時に背筋を走った。
そして……
キャァァァァァッ!!!!!!
家中に響き渡った甲高い悲鳴。
明らかに、如月の声。
誠也
誠也
今の……!
晶哉
晶哉
如月ちゃん!!
誠也と晶哉は同時に駆け出した。
二階へ。
その“影”が潜む場所へ。

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