omrside
電気もついていない、暗い部屋。
パソコンの光だけが、静かに部屋を照らしていた。
いつも通り、一人で。
孤独に、曲を書く。
正解なんて知らずに。
まだ、名前のない音を。
自己満足で、自分ひとりのものを。
ギターを鳴らしながら、考える。
音は綺麗なのに、心は曇ったまま。
音楽が好きなのに、
形にできない。
パソコンに打ち込んで消して、
ため息ばかりついている。
それを何度も繰り返して、
だんだん、自分が嫌になる。
メロディーも、伝えたい思いも、
確かにここにあるのに。
どんな音を、声を重ねようとしても、調和しない。
どれだけ言葉を並べようとも、
辿り着けない。
正解を掴もうと伸ばしている手が、少し震えているように感じた。
このまま何も書けなかったら。
もし、ずっとこのままだったら。
____音楽が好きだなんて、
言わなかければよかったのかもしれない。
静かな部屋に、
ぴこん♪と軽快な音が鳴り響く。
びくりと肩が揺れて、
ゆっくりとスマホを見る。
音楽をやっている友達からの通知。
「今度の休み、空いてない?紹介したいやつがいるんだ。
音楽以外はちょっと不器用なとこもあるけど、音は一級品だ。
ちょっと色々あるからいい刺激になるかもしれないよ。」とメールが届いていた。
……少し、迷ってから。
「空いてる。」
と送って、スマホの電源を落とした。
期待していいのか、
それとも、また傷つくのか。
____その時は、まだ知らなかった。
この出会いが僕の人生を大きく変えることなんて。
投稿遅くてごめんなさい。
投稿ペース上げて完結まで頑張ります。













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!