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第3話

君の隣が落ち着く居場所。
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2024/11/16 08:28 更新
まだ暖かな春先に起こった、獅子頭連とボウフウリンのチームを掛けたタイマンは和解で成立した。
タイマンが行われる前に梅宮からメールが届いた楓は、その内容に不安と心配が募り「会いに来るな」という言葉を守っていた。
きっと梅宮に会いに行けば獅子頭連の仲間に目を付けられ巻き込まれる可能性を避ける為だと分かっているが、やはりどうしても声は聞きたくなるもので授業を抜け出して携帯の通話ボタンを押した。
梅宮一
梅宮一
はい
工藤 楓 (くどう かえで)
工藤 楓 (くどう かえで)
梅くん
梅宮一
梅宮一
おぅ、楓どうかしたか?
工藤 楓 (くどう かえで)
工藤 楓 (くどう かえで)
今日だよね、獅子頭連とのタイマン
梅宮一
梅宮一
そうだけど、なんだ心配してるのか?
工藤 楓 (くどう かえで)
工藤 楓 (くどう かえで)
だって・・・相手は風鈴高校の仲間をボコボコにしたのでしょう
工藤 楓 (くどう かえで)
工藤 楓 (くどう かえで)
流石に心配になるよ
梅宮一
梅宮一
俺は絶対負けない
工藤 楓 (くどう かえで)
工藤 楓 (くどう かえで)
梅くんは負けないって知ってるよ
工藤 楓 (くどう かえで)
工藤 楓 (くどう かえで)
だけど・・・大きな怪我だけはしないでね
梅宮一
梅宮一
それは、無理な相談かもしれないな
工藤 楓 (くどう かえで)
工藤 楓 (くどう かえで)
分かってるけど、少しはマシな怪我にして
工藤 楓 (くどう かえで)
工藤 楓 (くどう かえで)
手当するのは私なんだから
梅宮一
梅宮一
あぁ、それは楓に任せる
梅宮一
梅宮一
工藤 楓 (くどう かえで)
工藤 楓 (くどう かえで)
うん?
梅宮一
梅宮一
終わったら、真っ先にお前に会いに行くから待っててくれ
工藤 楓 (くどう かえで)
工藤 楓 (くどう かえで)
っ・・・いつでも、待ってるよ
梅宮一
梅宮一
じゃあ、行ってくる
工藤 楓 (くどう かえで)
工藤 楓 (くどう かえで)
うん、行ってらっしゃい
人気のない屋上のフェンス伝いにしゃがみ込むと楓は深い溜息を吐き出した、切れた通話の表示に心を覆い尽くそうとしている不安や心配を払うように頭を振ると頬を叩き教室へと戻るのだった。
赤色の夕日が窓から差し込む時間帯、ことはからのお願いで喫茶店の手伝いをしていた楓は杖をついたお婆さんが扉を開けようとしていたのを手伝い送り出して店内に戻ろうとすると少し遠くから歩いてくる緑色の制服に息が止まりかけた。
梅宮一
梅宮一
楓ー!
工藤 楓 (くどう かえで)
工藤 楓 (くどう かえで)
っ・・・
いつもの太陽のような笑顔で手を振りながらのんびり歩いてくる梅宮を見た瞬間、堰き止めていた何かが崩れその場から走り出すと自分より大きな身体に飛びつく。
梅宮一
梅宮一
うぉっ!?
梅宮一
梅宮一
か、楓?
工藤 楓 (くどう かえで)
工藤 楓 (くどう かえで)
うぅ〜、バカ梅くん!!!
梅宮一
梅宮一
バカ!?
突然の楓からの暴言に戸惑いながら周りを見ると呆れたような表情を浮かべ胃痛薬を口に放り込んでいる柊が、喫茶店の扉を開けて言葉を放った。
柊登馬
柊登馬
おーい、梅宮が工藤を泣かせたぞ
橘ことは
橘ことは
ちょっと、何で楓を泣かせてるのよ!!
喫茶店の中からフライパンを持って楓の様子を見て怒り狂ってることは、未だに梅宮の胸をポコポコと叩きながら泣いている楓にどうすれば場が収まるか考えるが思い付かなかった。
静かな空気が漂っている喫茶店ポトス、今は言うとことはは買い物に行き先程まで一緒にご飯を食べていた柊達は帰ってしまった。残された梅宮と楓はテーブル席の隣同士に座り怪我した所を手当して貰って、少し目元が赤くなって視線を合わせない楓と泣かせて申し訳ないと言う気持ちで縮こまっている梅宮が居た。
梅宮一
梅宮一
楓?
梅宮一
梅宮一
ごめん、まさか泣くとは思ってなくて
梅宮一
梅宮一
俺が会いに来るなとか言ったからいつも以上に心配したんだろ?
工藤 楓 (くどう かえで)
工藤 楓 (くどう かえで)
梅くんは・・・
梅宮一
梅宮一
工藤 楓 (くどう かえで)
工藤 楓 (くどう かえで)
梅くんは強いって分かってる
工藤 楓 (くどう かえで)
工藤 楓 (くどう かえで)
この街で一番、強いのは私でも分かってるよ
工藤 楓 (くどう かえで)
工藤 楓 (くどう かえで)
だけど、こんなに傷だらけで戦うのは嫌だよ
工藤 楓 (くどう かえで)
工藤 楓 (くどう かえで)
私っ、見てられない
腕に出来た打撲痕を見詰めながら顔を強ばらせ涙を堪えている楓の表情が痛々しくて梅宮は細い背中に腕を回すと腕の中に閉じ込め抱き締めた。顔を埋めることになったTシャツは汗と血の匂いが混じっていて梅宮がこんなにも体を張っていた事を感じ取ると、逃げ出したくて突っ張っていた腕を下ろしてしまう。
梅宮一
梅宮一
ごめんなぁ、楓がここまで悩んでいたのを知らなくて
工藤 楓 (くどう かえで)
工藤 楓 (くどう かえで)
私が、勝手に悩んでただけだからっ
梅宮一
梅宮一
でもさ、俺は結構嬉しい
梅宮一
梅宮一
楓が俺の事をずっと考えててくれたんだろ?
工藤 楓 (くどう かえで)
工藤 楓 (くどう かえで)
・・・うん
梅宮一
梅宮一
なら、それだけで俺は良い。
俺はこの先も喧嘩は避けられない、でも俺は楓の所に帰ってくる
梅宮一
梅宮一
それだけは約束する、絶対に
工藤 楓 (くどう かえで)
工藤 楓 (くどう かえで)
絶対?
梅宮一
梅宮一
あぁ、俺がそう言うんだから信じろ
工藤 楓 (くどう かえで)
工藤 楓 (くどう かえで)
うん!
抱き締めていた腕を緩めると涙で潤んだ瞳が嬉しそうに緩め花のような笑みを浮かべられた、その表情に愛おしさが募った梅宮は胸を高鳴らせながら耳元に囁いた。
梅宮一
梅宮一
なぁ、楓
工藤 楓 (くどう かえで)
工藤 楓 (くどう かえで)
ん?
梅宮一
梅宮一
好きだ
工藤 楓 (くどう かえで)
工藤 楓 (くどう かえで)
んん??
梅宮一
梅宮一
何でもない
梅宮一
梅宮一
そろそろことはが帰ってくる頃だろ?
梅宮一
梅宮一
閉店準備、手伝うから片付けしようぜ
工藤 楓 (くどう かえで)
工藤 楓 (くどう かえで)
・・・・・・
工藤 楓 (くどう かえで)
工藤 楓 (くどう かえで)
(今、梅くんに「好き」って言われた?)
梅宮一
梅宮一
工藤 楓 (くどう かえで)
工藤 楓 (くどう かえで)
あっうん、今行く
キッチンに隣同士で立ち食器の片付けを始めている梅宮の事を見上げると、優しげな眼差しで見下ろしてくる彼に慌ててお皿に視線を戻すと楓はドキドキと高鳴る胸を感じるのだった。

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