…ここは、何処だろう。
なにも感じない。
いや、なにも感じたくないだけかもしれない。
…もうなにもわからないや。
急に目の前が眩しく光って
目を開けろといってくる。
抵抗する気力もなく、目を開けた。
そして後悔した。
やって、そこは、あまりにも綺麗な天井が映っていたから。
いやでもしっかり刺した。
非戦闘員だったとしても、軍人。
何処を刺せば死ぬかなんて理解している。
頭がようやく現実を受け止められる様になった。
大丈夫。今死ねなくてもまた死ねばいい。
そう思ってからだを起こした。
周りはあり得ないほど豪華な部屋だった。
今の時代は何処にいても苦しい生活しかできないはずだ。
やって、世界の何処でも戦争が起こり、殺伐としてるんに
こんな良い生活が出来るわけがない。
とりあえず声は出せるが、幼い気がする。
気のせいか…?
体も動く…けど、
絶対に自分の手じゃない。
自分の手はもっと薄汚れていて豆ばかりなはず。
なのに、今見えとるのは白く透き通ってる小さな手。
体も小さい。
今座っとるところはベッドやった。
ベッドからおりて近くに会った鏡を覗く。
…子供だ。
それも服から察して貴族の。
死んだら貴族の子供だった?
冗談としても笑えんわ。
俺は皆の後を追って……
何を焦っとったんやろ。
体がどうなろうと問題じゃない。
目的は死ぬことや。
僕は弱いから
物がないと死ねない。
物を探していたら、机の上におかれていた一冊の本に目がいった。
何故か「その本を読め」という見えない圧を感じる。
その本の表紙にはなにも書いてない。
開いた瞬間、目に飛び込んできたのは
今一番見たかった者たちの絵だった。
最初のページには服こそ違うが皆がいた。
間違うわけない。一番大切な人。そして、
その絵には僕だけいなかった。
とりあえず本を読んでみることにした。
最初から途中まで皆に関しての事だった。
過去とこれからが書いてあったが、
どれも現実ではあり得ない。
聞きなれない言葉に戸惑う。
皆のこれからは明るかった。
が、
皆の過去は暗かった。
奴隷や貴族落ち、スラム生活…。
僕のページもあった。
僕は大きな貴族の一人息子。
ワガママ放題の傲慢王子で、最終的にはぐるちゃんに殺されるらしい。
当たり前、やな。
やって、皆が死んだのは僕のせい
僕がもっと上手くやってたら。僕がいなかったら
皆は死ななくてすんだ。
本を閉じようと思ったらまだ読んでない最後のページがあることに気付いた。
めくると
ページ一面に「忘れるな」とかかれている
そして、真ん中に大きく
「お前が仲良くなると不幸になる」
と、書いてある。
皆のことを指しているのだろう。
僕がまた皆のそばにいてはいけない。
僕が皆を救うだなんて、
そんな権利はない。
だから、あくまで内密に、皆にバレないよう運命を変えればいい。
そうして皆が幸せになったのを見てから死のう。
僕は悪だから、皆のとなりには立てないけど、
こんな、こんな汚れきった命を皆のために使える
嬉しくてたまらない。
絶対に皆を幸せにして見せる。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。