少し話して、堅治はまだ配達が残っているから帰ることになった。
自転車に跨る堅治に声をかける。
配達で、か。。
少し落胆しながらも、家の扉を開けようと手をかけたところで後ろから、ぷっと吹き出した声が。
私はあっという間に上機嫌になり、堅治を見送った。
翌日。
二人で出かけるのかと思っていた。
集合場所に着くと、堅治の部活の先輩たちの姿が。
ほんとに仲良いな、この人達。
バスに乗って着いたのは、桃狩りができる農場。
桃を狩るのは初めてだな。
なんて考えながら、木の上にある桃を取ろうと脚立に乗っていると、隣で彼氏に写真を撮ってもらっているカップルを見てしまった。
羨ましいなぁ。
いやいや、
ぼそっと呟いた私の言葉は誰にも聞こえない。
無事に取れた桃を抱き抱えていると、堅治が来た。
急になんだ、と思ったけど肩車をしてもらった。
視界が…!!
高い!!!
先輩さんたちに呼ばれてそっちに行こうとする堅治の手を掴む。
先輩さんが呼びに来てふと、我に返る。
何言ってるんだ私。
何も言わない堅治を引っ張ってバス停に着いた。
バスに乗ろうとすると左手を掴まれた。
何も言わないまま、堅治は私の左手を掴んでいる。
どうやら、先輩達に出かけることがバレて付いてこられたらしい。
さっきは、話逸らしたけど。。
今日ずっと同じ気持ちだった。
堅治と。。
今日はそれだけで十分。
帰りのバス。
私は疲れて、寝てしまった。
堅治side
ッ…びっくりした。
右肩が重くなったかと思えばあなたが寝て俺に寄りかかっていた。
ビビらせんなよ。
ただでさえ、今日なんか雰囲気ちげーしよ。。
俺はあなたを起こして、バスを降りて家まで送った。













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。