第99話

🎐99❉
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2025/11/25 15:09 更新


ちゃんと動けるようになったのは、
ケンカから五日後だった。


その間はほとんど ことはが看病をしてくれていた。


ほぼ1週間、寝たきりでずっと家の中で体がなまってる。


太陽の日差しも直接浴びるのは久しぶりでこんなに
暑かったっけと思いながら商店街を歩く。


街の人
あらあなたちゃん
ふと、横から声がかかりそちらを向くとほうきを片手にお好み焼き屋のおかあさんが立って笑顔で挨拶をされた。
街の人
おはよう
あなた
おはようございまーす
街の人
体はもう大丈夫なの?
あなた
ぼちぼちですかね
笑顔でそう返せば、「あら、そうなの〜」と言って、心配そうに眉を下げる。
街の人
あなたちゃん帰りにうちに寄っていきな
渡したい物があるのよ!
あなた
うん
あなた
それじゃ、そろそろ行くね
街の人
行ってらっしゃい
街の人
気をつけてね
ニコニコの笑顔で手を振ってくれるので振り返す。
こういうのも本当に久しぶりだ。
まだ全部が元通りって訳ではない。
けど、街の人は変わらず温かくて、よく気にかけてくれる。


あなた
(学校も久々だな)
そんなことを考えながら敷地内に一歩足を踏み入れた。
あなたちゃん

後ろから声がしたので振り向くと、私を呼んだのはにこやかな笑顔を浮かべた蘇枋だった。
蘇枋隼飛
おはよう
あなた
おはよ
蘇枋隼飛
久しぶりだね
蘇枋隼飛
体と体調はもう大丈夫?
あなた
本調子じゃないけど元気になったよ
蘇枋隼飛
そっか、無理しないでね
眉を下げ不安そうな瞳でこちらを見つめてくる。
あなた
うん、気をつける






____



教室で椅子に座ってだらぁっと机に体を預ける。

街の復旧作業は思っていたよりも重労働でここ最近ろくに運動できていなかったため、すぐに体力を持っていかれる。

前だったらもっとできたのにな、と思うのはなんらおかしなことではないはずだ。

あなた
……


あなた
(喉、渇いたな)

あなた
(買いに行こ)

外にある自動販売機に行こうと席を立ち、教室を出て廊下を歩いていると声をかけられた。
あなた
あなた
あなた
あ、らぎ先輩
柊登馬
おう、大丈夫か?
あなた
うん、飲み物買いに行こうとしててさ
柊登馬
そうか
柊登馬
気をつけてな
あなた
はーい


_____



あなた
んー…

どれにしようか、迷うな。
炭酸にしようかな。
炭酸にしよ。

__ガコンッ

あなた
ん…っ
かたい…。
キャップ開かない。
どうにかキャップを開けようと格闘していると後ろから腕が伸びてきて、ペットボトルが奪われた。
あなた
あ…
カシュッと音がしてペットボトルのキャップが開けられた。
杉下京太郎
…ん
あなた
ありがと きょーたろー
京太郎の顔を見てみると所々にシップやら絆創膏やらが貼ってあったので、まだ傷が完治していないことがわかる。
炭酸を飲み喉を潤す。
あなた
ふぅ…
そういえば梅はどこにいるんだろ。
杉下京太郎
…梅宮さんなら屋上にいる
あなた
…ありがと
なんか、梅とからぎ先輩に似てきた。
京太郎まで私の心を読めるようになったのかな…。
あなた
きょーたろーなんでわかったの?
そう聞いてみると京太郎はぽかーんとした顔をした後口を開いた。
杉下京太郎
声に出てたぞ
あなた
……まじ?
そう聞くとコクっと頷かれた。
あなた
あ きょーたろーも行くなら一緒に行ってもいい?
杉下京太郎
……
京太郎は少し考えた後コクっと頭を縦に振った。


なんか、機嫌悪い…??




あなた
あっ…つ
屋上に出た瞬間日光に攻撃される。
あなた
(溶けるぅ…)
杉下京太郎
梅宮さん戻りました
梅宮一
おかえりー杉下
畑をいじっていた梅が手を休めてこちらを振り向く。
澄んだ青い瞳と目が合う。
次の瞬間には口元を緩め笑顔を見せた。
梅宮一
あなたー!!
ばびゅんっとすっ飛んで来た梅の大きな体に包みこまれた。
あなた
んわっ…あっつい
梅宮一
悪い悪い
ついっと言いながら体を離したかと思えば今度は肩に手を置かれた。
梅宮一
体調はもう大丈夫そうか?
あなた
ぼちぼちって感じ
梅宮一
無理だけはするなよ!
うん、と頷けば満足そうな笑顔を浮かべた。

その後少しだけ屋上で話しながら畑作業を少しだけ手伝って、一旦教室に戻った。
エアコンが効いている教室はびっくりするほど涼しかった。
十分涼しい教室で小型扇風機をつけるとめちゃくちゃ涼しくて、暑さ対策をしていたものの6月らしいジメジメとした外にいたので生き返る。
あなた
あー…すずしっ
まだ、クラスのみんなは街の復旧作業にあたっているようで教室には私一人だけだった。
世界に私一人だけ生きてるみたいだな、なーんてバカなことを考える。
クーラーのおかげで冷えている教室の窓を少し開けるとやはり熱風が入ってきたのですぐに閉める。
ぼーっと窓から外を見つめる。
少しだけ日が落ちかけている空。
突然ガラッとドアが開く音がした後に聞き馴染みある声が耳に入る。
楡井秋彦
はぁー…教室涼しいですね
蘇枋隼飛
そうだね
楡井秋彦
って…あなたさん!?

驚いたように大きな声をあげた楡井に窓に向いていた視線を移す。

蘇枋は朝に顔を合わせたからか、ニコニコとした笑顔のままだった。


楡井は目を丸くし、そんなに?と、思うほど驚きを隠せていなかった。
 
そして、彼らの後ろにちらりと見えたのは白と黒のツートーンの珍しい髪色にオッドアイの彼。
そのオッドアイの綺麗な瞳が私を映すと彼もまた目を丸くした。
あなた
久しぶり…かな?

小さく微笑み私は言葉を発した。



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