ちゃんと動けるようになったのは、
ケンカから五日後だった。
その間はほとんど ことはが看病をしてくれていた。
ほぼ1週間、寝たきりでずっと家の中で体が訛ってる。
太陽の日差しも直接浴びるのは久しぶりでこんなに
暑かったっけと思いながら商店街を歩く。
ふと、横から声がかかりそちらを向くと箒を片手にお好み焼き屋のおかあさんが立って笑顔で挨拶をされた。
笑顔でそう返せば、「あら、そうなの〜」と言って、心配そうに眉を下げる。
ニコニコの笑顔で手を振ってくれるので振り返す。
こういうのも本当に久しぶりだ。
まだ全部が元通りって訳ではない。
けど、街の人は変わらず温かくて、よく気にかけてくれる。
そんなことを考えながら敷地内に一歩足を踏み入れた。
後ろから声がしたので振り向くと、私を呼んだのはにこやかな笑顔を浮かべた蘇枋だった。
眉を下げ不安そうな瞳でこちらを見つめてくる。
____
教室で椅子に座ってだらぁっと机に体を預ける。
街の復旧作業は思っていたよりも重労働でここ最近ろくに運動できていなかったため、すぐに体力を持っていかれる。
前だったらもっとできたのにな、と思うのはなんらおかしなことではないはずだ。
外にある自動販売機に行こうと席を立ち、教室を出て廊下を歩いていると声をかけられた。
_____
どれにしようか、迷うな。
炭酸にしようかな。
炭酸にしよ。
__ガコンッ
かたい…。
キャップ開かない。
どうにかキャップを開けようと格闘していると後ろから腕が伸びてきて、ペットボトルが奪われた。
カシュッと音がしてペットボトルのキャップが開けられた。
京太郎の顔を見てみると所々にシップやら絆創膏やらが貼ってあったので、まだ傷が完治していないことがわかる。
炭酸を飲み喉を潤す。
そういえば梅はどこにいるんだろ。
なんか、梅とからぎ先輩に似てきた。
京太郎まで私の心を読めるようになったのかな…。
そう聞いてみると京太郎はぽかーんとした顔をした後口を開いた。
そう聞くとコクっと頷かれた。
京太郎は少し考えた後コクっと頭を縦に振った。
なんか、機嫌悪い…??
屋上に出た瞬間日光に攻撃される。
畑をいじっていた梅が手を休めてこちらを振り向く。
澄んだ青い瞳と目が合う。
次の瞬間には口元を緩め笑顔を見せた。
ばびゅんっとすっ飛んで来た梅の大きな体に包みこまれた。
ついっと言いながら体を離したかと思えば今度は肩に手を置かれた。
うん、と頷けば満足そうな笑顔を浮かべた。
その後少しだけ屋上で話しながら畑作業を少しだけ手伝って、一旦教室に戻った。
エアコンが効いている教室はびっくりするほど涼しかった。
十分涼しい教室で小型扇風機をつけるとめちゃくちゃ涼しくて、暑さ対策をしていたものの6月らしいジメジメとした外にいたので生き返る。
まだ、クラスのみんなは街の復旧作業にあたっているようで教室には私一人だけだった。
世界に私一人だけ生きてるみたいだな、なーんてバカなことを考える。
クーラーのおかげで冷えている教室の窓を少し開けるとやはり熱風が入ってきたのですぐに閉める。
ぼーっと窓から外を見つめる。
少しだけ日が落ちかけている空。
突然ガラッとドアが開く音がした後に聞き馴染みある声が耳に入る。
驚いたように大きな声をあげた楡井に窓に向いていた視線を移す。
蘇枋は朝に顔を合わせたからか、ニコニコとした笑顔のままだった。
楡井は目を丸くし、そんなに?と、思うほど驚きを隠せていなかった。
そして、彼らの後ろにちらりと見えたのは白と黒のツートーンの珍しい髪色にオッドアイの彼。
そのオッドアイの綺麗な瞳が私を映すと彼もまた目を丸くした。
小さく微笑み私は言葉を発した。













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。