今日はみんなの命日でありお盆だ
だから久しぶりにお墓参りに行く
そのためにいつもより少し早起きをして
大きなお弁当を作り少し大きめの水筒を準備した
他の準備も終わらる
準備が終わり玄関の鍵を閉める
暑いから日傘をさしながらバス停まで行く
お墓は自転車で行くにはかなり面倒だからバスで行くのだ
バス停に着くとちょうどバスも来ていたようでそれに乗り込む
荷物が多いのでなるべく立ちたくなかったが
一人用の席が空いていたのでそこに座る
車内はクーラーがかなり効いており汗を掻いた体にしみる
汗も引いて僅かに肌寒く感じた頃
目的地につきそうなのでボタンを押す
少ししてバスが停まったので運賃を払って降りる
近くの花屋で赤いユリと桔梗を選んで店主に渡す
店主のおじさんは「今年もちゃんと来て偉いね」と
声をかけてくれた
僕が選んだ花を使ってお供え用の花束を作ってくれる
少し世間話をしてお金を払いお店を出る
少し早く歩きながらお墓に向かう
先程までの涼しさが恋しくなる
お墓につくと僕はどこか機械的に墓石の掃除をし
周りの草むしりをする
花を差し替えカップの水を入れ替える
持ってきた大きな弁当を供えて線香に火を付ける
手を合わせて最近の報告をする
といっても、毎日家出も話しているので内容は被る
苦手な教科の点数が良かったとか
またあの海へ刀也と行ったとか
そんな感じで報告を一旦終わる
近くにレジャーシートを敷いて
お供えした弁当と持ってきた水筒をその上に置く
炎天下で墓掃除をしたのだからお腹は既に減っていた
冷えた麦茶を飲んで弁当を食べ始める
食べながらも、この料理は最近覚えただの
海で見つけた貝を2つともこっそり持って帰っただの
最近Vtuberを刀也に教えてもらって見始めただのと
無駄話を続けた
お腹がいっぱいになったので残った弁当を片付ける
水筒の中のお茶は殆ど残っていなかった
掃除道具や弁当などが入ったカバンを持って
バス停に向かう
バス停に着いたがまだバスは来ておらず
椅子に腰掛ける
少し待つとバスが来たので乗り込んだ
帰りも座ることができた
バスが出発してから次のバス停に着くたびに人が乗り込んでくる
ふと辺りを見るとおばあさんが辛そうに立っていた
僕はおばあさんに声をかけ
席を譲り手すりを掴む
おばあさんはお礼にとキャラメルをくれた
僕もお礼を言ってバスが停まるのを待った
バスから降りて帰る途中コンビニに寄り
アイスを買った
家に帰ってから、手洗いうがいをして
冷蔵庫から冷やしていたお茶を取り出し
弁当の残りといっしょに食べる
その後少しダラダラとしていると
外はとっくに暗く
蝉の声が響いていた
風呂に入り歯を磨く
クーラーを付けた部屋で布団に潜る
思わず声が漏れた
あぁ自分は泣いているのだなと
どこか静かな自分がいた
そんな弱々しい声が
誰にも届かな声がこだまする
もうみんなは帰ってこないと
頭では解っているのに
今でも突然玄関が開いて
「ただいまー!」って声が響くのだと
期待している自分が常にいる
僕にとっていつになっても
みんなの死は背負うには大きすぎる
いくら刀也が支えてくれようと
お前には家族がいるのに
僕の気持ちがわかるはず無いと
心の何処かで突き放してしまう
刀也だって一生懸命支えてくれているのに
今日は一段と暗いことを考えてしまう
早く寝てしまおう
心のなかで
もう二度と目覚めることがありませんように
という自分の願いから目を逸らして













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!