第3話

第3話
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2026/02/15 04:15 更新
第二講義室。普段はポトツキ先生の授業があるので、あなたは嫌でも成績のことを思い出してしまった。
あなた
…まぁ、この際成績はいいや。あとでがんばろう。さて、何の本の話をしようかな。
あなたはかばんから何冊もの本を取り出した。
お気に入りの本はいつも持ち歩いている。
だってまともな娯楽なんてこれくらいしかないから。
あ、あなたの名字さんもその本好きなのかい?
見ると金髪の男子がこっちを見ている。久々にこんなきれいな目を見たと思った。手にはあなたと同じ本があった。
どこかで見た気がするが、あなたはよく思い出せなかった。誰だっけ。
あなた
………えっと、どこかで会ったっけ?
え?……あぁ、そういえば自己紹介していなかったな。僕としたことが。
ラファウ
はじめまして。僕は同じクラスのラファウ。よろしく。
あなた
!!あぁ、ラファウくんか!よろしく!
名前を聞いた途端、記憶が急速に湧いてきた。
あの厳しいポトツキさんに絶賛される、神童じゃないか!!
ラファウ
エピクロスの本って少し長いけど面白いよね
あなた
え、思った!
本について話す2人。
いつのまにか読書感想会は始まっていたようだがあなたは気づかなかった。
ラファウ
………だからその本もおすすめだね。あ、そろそろ時間だから僕はいくよ。
あなた
え、もう?
ラファウ
だって夕方だよ
あなた
え、いつのまに?!
ラファウ
また機会があったら話そう。また今度。
そういってラファウくんは去っていく。
久々に家族以外の人と話し込んだにも関わらず、あなたはふわふわした気分で家に帰った。
あなた
ラファウくんってとにかく合理的だと思っていたから不思議。
そう、ラファウくんは見れば見るほど合理的だ。
感情があるかどうかすらあやしいほどに。
同級生A
ラファウくん!ここ教えてほしいんだけど…
ラファウ
もちろん、教えてあげるよ。その代わり今日の掃除当番を代わってくれないかい?
同級生A
わかったよ、ありがとう!優しいね!
同級生B
ラファウ、今日の授業のあとみんなで勉強会しないか?
ラファウ
ありがたいけど、断るよ。僕は今日どうしても外せない観測があるし、ルクレティウスの著書を読みたいんだ。
同級生B
やっぱレベルが違うな!自慢の同級生だよ。
ラファウ
そんなそんな、僕なんてまだまだだから。
完璧すぎて若干こわい。自分の利は得つつ、相手の気分も害さない。それどころかいつのまにか自分の評価を上げている………。
あなた
生きやすそうでいいなぁ
あなたはこっそりため息をついた。

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