今日は、任務が休み。
だが、俺は出勤している。
そう働いているのだ。
何故、任務がないのに出勤をしているか。
否、それは彼女のプレゼントの為。小遣い稼ぎをしているのだ。
そして、アルバイトの内容は…、
そう。
パーラーと、呼ばれるやつである。
パーラーとはあれである、人里離れたところで行われる出店である。
パーラーは基本的に日給で、一日中働くのだ。
そして、今は真夏の正午。
激暑の時間である。
それもこれから。
こんな時、彼女のエールがあればなぁ〜と、だらけていると、目の前に車が停まった。
車から見知った顔が覗いた。
思い思いの言葉を、俺に落としていった。
此処での稼ぎは、俺のバイト代にほぼ直結していると言っても、過言ではない。
だから、ちょっとでも買ってくれた方がマシなのだ。
俺がむくれているのを、そっぽに置き、高速で話を進めていた。
なんやねん。こちとら暑い中、放置プレイやって言うんに。
悶々と、レモンサイダーを作る。
レモンサイダーは、このパーラーの目玉商品である。
らいが買ってくれたらなぁ〜…、とか言う我儘に付き合わせる訳にはいかない。
我儘に付き合わしたくない、と言う気持ちもあったが、それ以上に店の制服を見られたくないと言う気持ちもある。
そんな事を伝えながら、出来上がったレモンサイダーを渡した。
こやが受け取ろうとしたそれを、後ろから可愛らしく伸びた手が、代わりに受け取った。
そう言って、後ろに戻ろうとしたらいは、思い出したようにこっちを振り返った。
らいの手の中にあるサイダーは、ふわっと弾けた。
俺をひっそりと励ますように。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!