jm side
昨日抱かれた温もりとは全く違う
少し乱暴で"僕"を愛していない温もり
気持ちいいフリして声を漏らすと
それに気づいて更に律動を早くされる
こんなの、もう嫌なはずなのにな、…
***
うちの店には"外対応"っていうサービスがオプションであって、
それを付けてくれたら、
お店以外の場所…例えばラブホとか。
そういう場所でも3時間限定でデキるの。
今日はそれがあって
このあとお店に相手の人が迎えに来る。
***
季節は冬真っ只中といったところだろうか
風が吹き、寂しさが滲む身体を容赦なく冷やす
昨日、愛する恋人に抱かれて
もうすっかり満足しているはずなのに、
こうやって今日もまた、他の男の人に抱かれる
でも、ジョングガだってどうせ今日も
女の人抱いて帰ってくるんだろうな
僕を抱いても満足できなかったから
そうやって浮気をするだよね
もうどうしようも無いのかな…
そんなことを考えていると、
遠くから名前を呼ばれる
あからさまにいやらしい目で僕を見る人
今日のオプションをつけた客だ
はぁ…これは仕事だ、仕方ない…
どんなに恋人が愛おしくても
これはやり切らなきゃね
あぁ、こんな自分に吐き気がする
でもそれも、一切表情には出さず
流れるように相手に腕を絡める
この人じゃ、この寒さも寂しさも埋められないのに
そんなの分かっているのに
何故かこうやって縋ってしまう
僕ってこんなに汚かったのかな
Next.
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!