ジェミンside
今日は母さんのお見舞いに行く日。
この病院に来るとつい先日の出来事が鮮明に甦る。
当たってもないのにぶっ倒れられて驚いたなぁ…
そんなことを考えながら自動ドアを通り抜ける。
「すみません…!」
突然、後ろから声をかけられた。
「先日、精密検査を受けられたあなたさんのお知り合いの方でしょうか?」
説明するのがめんどくさい。
俺はあの人と「知り合い」という関係にしておいた。
「検査結果が出たんですが、あなたさんが忙しくて来られないとの事なので代わりに聞いていただいてよろしいですか?」
なんで俺が。
全く関係ないのに。
「主治医があちらで待っていますので。」
俺は流されるまま検査結果を聞きに行く羽目になった。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!