ないこ side.
in 処置室
目を開けた瞬間飛び込んできた白色の天井で、何が起こってしまったか大体分かった。
前髪をクシャッと掴んで涙を堪えようにも、堪えられない。
な?、と頭の上に大きな手が添えられる。
悠佑 side.
初兎の部屋に向かいながら苦笑する。
双子のやけど、と付け足して寝台の横の椅子に座る初兎。
自分でも考えられないような掠れた気の弱い声が出る。
吸血鬼界は弱肉強食の世界だ。
例え幼い子供でも大人を越える様な能力を持っているならば、地位は反転する。
そして其れは、貴族の中でも発生する。
現に、次期国王候補と謳われている第一王子のないこは俺より年下だ。
そして第二王子であるまろも。
理由は簡単。
俺の持つ血操術は二人に負けているから。
仕方の無いことは分かっている。
血操術は自身では選べないから。
でも時々この思考が頭の中で渦巻く。
〝俺がもっと強ければ〟
〝あの二人より強力な血操術を持って産まれていれば〟
ないこが苦しんで暴走する事も無かった。
まろがボロボロになりながら暴走を食い止めなければいけない事も無かった。
少し歩きだした途端、背後からさっきまで感じていなかった気配がする。
柱の後ろに震えながら隠れているあなたの下の名前の元へと向かい、少し屈む。
ないこのお守りしてくれへん?
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。