ゆっくりと目を覚ます。
窓から差し込む陽に
時間の感覚が曖昧になる。
動こうとして
指先に触れている感触に気づいた。
視線を落とすと、絡んだままの指。
離さないように、少しだけ力が込められる。
顔を上げると
ベッドの横に腰を下ろした與那城さんが
顔を並べていた。
こんな距離で寝ていたんだと思うと
急に意識してしまう。
伏せられた長いまつ毛が
やわらかく影を落として
その影が揺れるたびに
呼吸が静かに伝わってくる。
きれいな鼻筋をたどると
わずかに開いた唇がすぐそこにあって
息がかすかに届く。
近すぎて逸らすこともできない視線に
呼吸が少しずつ乱れていく。
そのとき與那城さんが、目を覚ました。
低い声が、すぐ近くで響く。
與那城さんは、指を少しだけ動かして
絡んだ部分をなぞる。
それだけで、熱とは別の体温が上がる。
額に手が触れる。
絡んだ指が
少しだけ強く握られる。
距離が近づいて
熱を確かめるみたいに額が触れる。
窓から入る光が
ゆっくりと部屋に心地よさを満たしていく。
やわらかい明るさに、あたたかさが重なる。
少しだけ離れた額が
合図のように優しくぶつかる。
窓からの光が、ゆっくりと揺れる。
この距離を、同じ温度で感じている気がして
ただ、しあわせだった。
愛奈さん、たーたんさん、ひーさんさん
スポットライトありがとうございます🤍
♡もありがとうございます!















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!