NO side
京都校の廊下を歩く東堂
向かう先は、他の生徒も休む寮
この時間だと、ほぼ全員寝ているか
就寝準備をしていることだろう
流石の東堂もそこに押し入って
あなたの下の名前からの土産を配るほどの馬鹿ではない
と言うか、
京都校の生徒は女子の割合が多い為、
そんなこと出来る訳が無い
よって、東堂は翌日
皆に土産を配ることにしたのだが────
自分自身への土産は先に見ておきたいものだ
自分への土産が気になり、
東堂は右手に持つ紙袋の中を見る
そこには一人一人に宛てたメッセージカードと
更に小分けにされた紙袋があった
自分の分を取り、中身を取り出す
東堂宛の紙袋に入っていたのは、
焼肉用佐賀牛ハラミセット × 5
────そして、一つの封筒
質素でシンプル
何も書かれていない封筒の封を開け、
中に入っていたものを取り出して────
中身を見た途端、手が止まった
彼にしては珍しく目を見開き、
フリーズしながら手に持つ紙を見つめている
────封筒に入っていたのは、
東堂が推す高身長アイドル高田ちゃんの
個握チケット
添えられたメモ書きには
「当たったからあげる
東堂も当たってたなら
観賞用にでもしたら?」
と言うメッセージ
観賞用にでもとは言うが、
今回の個握は倍率が高く、
東堂は抽選で落選していたものだ
そんなものを当てるとは
特級呪術師は実力が高いだけで無く
運も良いのだろうか?
歓喜の声をあげて喜ぶ東堂
直後、近くの部屋の京都校メンバーから
うるさいと怒鳴られたのは言わずもがなだ
────東堂があなたの下の名前のことを
マイシスターと呼ぶ理由
それはあなたの下の名前の実力などを
含めて幾つかあるが────
一つは、彼女が
高田ちゃんのイベントの抽選などを
見かける度に、それらに手当たり次第応募し、
得たチケットを東堂に渡しているからである(
カルマside
ソレに気付いたのは、つい数分前だった
─────あなたの下の名前が居ない
寝る前に話したかったのに、
姿が見当たらない
茅野ちゃん辺りと一緒に居るんだろうって
思ってたけど、
いざ話し掛けに行こうと思ったら
茅野ちゃんのところに居なかった
それと無く他の人の周りも探してみたけど、
誰の近くにも居ない
あなたの下の名前に限って失踪とか誘拐は
無いだろうし、
烏間先生なら何か知っているかも知れない
烏間先生の姿を見つけて、
聞きに行こうとした時────
烏間先生が殺せんせーと
取込み中だったことに気付いた
もしかしたら、あなたの下の名前の話を
しているかも知れない
物陰から耳を傾け、
二人の会話を盗み聞きしようと試みる
諸事情の内容が気になる
馬鹿正直に聞いても烏間先生は
教えてくれなかっただろうし、
やっぱりこう言うのは教師同士の会話を
盗み聞きするに限るね
確かにそうだ、今は夜9時
そんな時間に配達をするとは思えない
と言うか、
そもそも学校行事に仕事を持ち込ませる
その親戚もおかしい
俺の聞きたい部分は聞き終えた
変に粘って見つかるのも嫌だし、
速やかにその場を離れる
あなたの下の名前、外出中か
帰って来てから話すタイミングあるかな⋯⋯⋯
今日は拉致事件の所為で
あんまり話せなかったし、
もし夜も話せなかったら俺があなたの下の名前を
班に引き入れた意味が無い
あなたの下の名前とは学校内でも話すことは出来る
でも、俺にとっては
〝特別な修学旅行の夜に話す〟
ことが重要なんだ
あなたの下の名前と話せるタイミングが来るよう
ぽつりとそう口に出して祈りながら
部屋へと戻った
修学旅行帰って参りました~!













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!