第34話

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2026/05/26 11:00 更新















     NO side







   京都校の廊下を歩く東堂



   向かう先は、他の生徒も休む寮



   この時間だと、ほぼ全員寝ているか

   就寝準備をしていることだろう





   流石の東堂もそこに押し入って

   あなたの下の名前からの土産を配るほどの馬鹿ではない



   と言うか、

   京都校の生徒は女子の割合が多い為、

   そんなこと出来る訳が無い





   よって、東堂は翌日

   皆に土産を配ることにしたのだが────



   自分自身への土産は先に見ておきたいものだ





   自分への土産が気になり、

   東堂は右手に持つ紙袋の中を見る



   そこには一人一人に宛てたメッセージカードと

   更に小分けにされた紙袋があった




   自分の分を取り、中身を取り出す






東堂 葵
⋯⋯⋯⋯!







   東堂宛の紙袋に入っていたのは、

   焼肉用佐賀牛ハラミセット × 5




   ────そして、一つの封筒





   質素でシンプル


   何も書かれていない封筒の封を開け、

   中に入っていたものを取り出して────














   中身を見た途端、手が止まった












   彼にしては珍しく目を見開き、

   フリーズしながら手に持つ紙を見つめている

















   ────封筒に入っていたのは、

   東堂が推す高身長アイドル高田ちゃんの

   個握チケット




   添えられたメモ書きには

   「当たったからあげる

    東堂も当たってたなら

    観賞用にでもしたら?」

   と言うメッセージ




   観賞用にでもとは言うが、

   今回の個握は倍率が高く、

   東堂は抽選で落選していたものだ



   そんなものを当てるとは

   特級呪術師は実力が高いだけで無く

   運も良いのだろうか?






東堂 葵
マイシスタァァァァァ!







   歓喜の声をあげて喜ぶ東堂



   直後、近くの部屋の京都校メンバーから

   うるさいと怒鳴られたのは言わずもがなだ



















   ────東堂があなたの下の名前のことを

   マイシスターと呼ぶ理由



   それはあなたの下の名前の実力などを

   含めて幾つかあるが────






   一つは、彼女が

   高田ちゃんのイベントの抽選などを

   見かける度に、それらに手当たり次第応募し、

   得たチケットを東堂に渡しているからである(
























     カルマside







   ソレに気付いたのは、つい数分前だった











   ─────あなたの下の名前が居ない




   寝る前に話したかったのに、

   姿が見当たらない




   茅野ちゃん辺りと一緒に居るんだろうって

   思ってたけど、

   いざ話し掛けに行こうと思ったら

   茅野ちゃんのところに居なかった



   それと無く他の人の周りも探してみたけど、

   誰の近くにも居ない






   あなたの下の名前に限って失踪とか誘拐は

   無いだろうし、

   烏間先生なら何か知っているかも知れない






   烏間先生の姿を見つけて、

   聞きに行こうとした時────




   烏間先生が殺せんせーと

   取込み中だったことに気付いた





   もしかしたら、あなたの下の名前の話を

   しているかも知れない




   物陰から耳を傾け、

   二人の会話を盗み聞きしようと試みる






殺せんせー
烏間先生、神凪さんの姿が見当たらないのですが
烏間 惟臣
彼女なら諸事情で外出中だ
殺せんせー
諸事情とは?
殺せんせー
私の暗殺関係の話では無い限り、担任である私はその諸事情とやらを知る権利があります

赤羽 業
(やっぱりあなたの下の名前居なかったんだ)







   諸事情の内容が気になる



   馬鹿正直に聞いても烏間先生は

   教えてくれなかっただろうし、

   やっぱりこう言うのは教師同士の会話を

   盗み聞きするに限るね






烏間 惟臣
彼女の親戚がどうやら個人経営で配送業を営んでいるらしくてな
烏間 惟臣
その手伝いとして偶に配送を頼まれるらしい
烏間 惟臣
今回も京都宛の荷物が数件あり、修学旅行ついでに配送を頼まれたそうだ
烏間 惟臣
彼女は今その荷物の配達中だ

殺せんせー
⋯⋯⋯ふむ
殺せんせー
しかし、こんな夜遅くに配達とは、少々おかしいですね
殺せんせー
それに、修学旅行中の生徒に仕事の手伝いをさせるその親戚にも言いたいことがあります







   確かにそうだ、今は夜9時



   そんな時間に配達をするとは思えない




   と言うか、

   そもそも学校行事に仕事を持ち込ませる

   その親戚もおかしい






烏間 惟臣
親戚と言うことは、恐らく叔父叔母の辺りだろうな
烏間 惟臣
彼らの世代なら、その辺りの規則が緩かったから今もその感覚のまま居るのだろう

烏間 惟臣
子供に手伝いをさせるくらいだから、配達先は顔見知りなんじゃないか?
烏間 惟臣
それなら夜遅くの来訪も特に気にはならない
烏間 惟臣
彼女も京都には飽きるほど来たことがあると言っていたしな

烏間 惟臣
ちなみに、復学初日に遅刻したのも配達が理由だそうだ

殺せんせー
なるほど、でしたら辻褄が合いますね
殺せんせー
消灯時間までに帰ってくるのならまぁ良いでしょう
殺せんせー
神凪さんが嫌々配達しているので無ければ、ある程度の自由は容認してあげるべきでしょうし







   俺の聞きたい部分は聞き終えた



   変に粘って見つかるのも嫌だし、

   速やかにその場を離れる






赤羽 業
はぁ~⋯⋯⋯







   あなたの下の名前、外出中か



   帰って来てから話すタイミングあるかな⋯⋯⋯




   今日は拉致事件の所為で

   あんまり話せなかったし、

   もし夜も話せなかったら俺があなたの下の名前を

   班に引き入れた意味が無い






赤羽 業
⋯⋯⋯⋯話せると良いな







   あなたの下の名前とは学校内でも話すことは出来る



   でも、俺にとっては

   〝特別な修学旅行の夜に話す〟

   ことが重要なんだ





   あなたの下の名前と話せるタイミングが来るよう

   ぽつりとそう口に出して祈りながら

   部屋へと戻った



















       修学旅行帰って参りました~!














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