────結局、あの殺し屋さんは
殺せんせーと途轍もない長話をしてから
何もせずに帰って行った
お陰様で私は日付が変わるまで
無駄に寝たフリしながら
待機する羽目になった
そして、場所は変わって
今は帰りの新幹線内
帰りも席が一つ足りないので、
行きと同様、私が立って乗車です
「帰りくらいは流石に座って!」
と色んな人に説得されたけど、
どうにかゴリ押しで立った状態での
乗車の権限を掴み取った(
まぁ、たかが二時間ちょっとだしね
カルマや杉野くんはもう私が立つことを
割り切ってるみたいだけど、
渚くんやカエデちゃん、
奥田さんや神崎さんは
まだ申し訳無さそうな顔をしいてる
────が、どうやらカルマは私の考えなんて
お見通しらしい
なんかみんなが一生懸命殺そうとしてる
暗殺対象に褒められるって
あんま嬉しくないな
────いや、もし殺せんせーが
政府との契約を破って
生徒に危害を加えるようなことをしたら
私にとっても処理の対象になるのか
私の場合は厳密に言うと暗殺対象じゃ無くて
処刑対象とか処理対象になるんだけど
⋯⋯⋯そう言えば、
悠仁って宿儺の器だから処刑対象だったよね
また五条が権力使って上手いこと
生かしてるんだろうけどさ
上層部のおじいちゃん共臆病だから
そろそろ裏で手回して
悠仁を消そうとし始める頃じゃないかな
いや、そっちでも暗殺かい
別に特別なことはしなくて良い
神崎さんが暗にそう告げると、
ハッとしたように
カエデちゃんが納得した表情になる
そのまま寝たい人は寝る、
起きていて大丈夫な人は雑談、
と言う流れに変わっていった
私もみんなとの雑談の流れに入る───
───訳では無く、
目の前に座っているカルマへと視線を向ける
コイツ、ちゃっかり私が立ってる位置に
一番近い通路側の席を
取ってるんだよなぁ⋯⋯⋯
もう私と話す気満々だ
あんまり人の前でカルマと話すと
変な噂(主に恋愛沙汰の話)が流れそうで
ちょっと怖いんだよなぁ⋯⋯⋯













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!