第6話

想起〚彼女〛
19
2026/01/02 15:00 更新
アナタが新しい担当者ですね
 
背後から女性と思われる声で呼び止められる
この場には“担当者”という肩書を持ったものは“彼”の担当者を現任しているあなたの一人称しかいないため、あなたの一人称のことを呼び止めたのだと思う
そして、あなたの一人称は次の業務に向かう足を止めて、背後の声の主を視野に収めようと振り向いた
 
あなた
…はい、そうですが
 
それは良かった
 
少々愛想の無い返答をしてしまったが、彼女は特段気にした様子もなく、そして安心した様子でそう言った
 
あなた
どういたしましたか
 
 
 
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私は■■■■■・■・■■■■■■■■■
 
この空間にはあなたの一人称と彼女しか居らず、雑音と言えるものも無かったにも関わらないのに名乗られた名前はよく聞き取れなかった
 
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アナタの上司の…上司に該当する者です
 
あなた
…研修のラジオの方ですか?
 
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おや、覚えていたのですか
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今回の担当者は優秀なようで結構です
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前回の担当者は憶えていませんでしたから
 
  ぱち ぱち ぱち と、芝居じみた拍手が施設の消音壁に吸い込まれて消えた
 
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まぁ、あれだけ期間が空いていれば妥当だとは思いますが
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やはり、素晴らしいですね
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あなたは
 
あなた
光栄です
 
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はは、ご謙遜を
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いいですね、担当者
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担当者は担当者でしかありません
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ラジオの内容をお忘れなく
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心に刻み込んでおいてください
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いいですね
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彼は彼です
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担当者、あなたとはわかり合えない存在
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担当者
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分かりましたか?
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彼の言葉に耳を貸してはいけませんよ
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担当者、くれぐれもご注意を
 
あなた
 
先ほどの柔らかい態度とは一転して語気の強い言葉を、まるで狂ったテープレコーダーのように繰り返し、まくし立ててきた



 

アンケート

 🗣️ 返答 
はい
33%
了解いたしました
33%
承知いたしました
33%
分かりました
0%
理解いたしました
0%
Yes
0%
投票数: 6票



 
あなたの一人称はそれに、そう返答を返すしか無かった
 
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良い子
 
            砂糖を煮詰めたような声で囁かれる
 
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さて、私にはやるべきことがありますので
 
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これで失礼いたします
 
あなた
 
       徐々に彼女の後ろ姿が小さくなっていく
    やがて彼女の姿は施設の分厚い扉に遮られて見えなくなった
     そしてあなたの一人称は…いつの間にか伸ばしていた手を、下げた

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