佐「あなたでしょ?」
「…っ、」
「…誰ですか、それ。」
…私はなんて可愛くないことを言うんだ。
そうだよって言えば済む話なのに…
焦った私は嘘がバレた子どもみたいに
佐「めっちゃしらーってするじゃん。」
「人違いです。」
しらを切って。
佐「え〜?俺が間違えるわけなくない?」
「人って間違えるんですよ。」
佐「耳のほくろは?」
「ある人いっぱいいます。」
佐「さっき名前呼んだらめっちゃ目開いてたけど?」
……なんで
「……なに、大介くん。」
私が折れて名前を呼んだら
大きい目をさらに大きく開いて
ふにゃっと笑って
佐「久しぶり」
って、甘い声で。
「いつから…気づいてたの、?」
佐「今日収録であなたの名字あなたですって言ってたっしょ?」
佐「もしかしたらって思って、話しかけたら」
佐「俺の知ってる顔で笑うから確信した。」
なんで気づくの。
普通、気が付かないものでしょ…?
高校生の時って何年も、何十年も前だよ?
佐「あなた変わったね。」
「まぁ…そりゃあ、老けてますよ。」
佐「そーいう意味じゃないって。」
佐「可愛くなったねって言ってんの!」
「!」
佐「顔あっかーい笑」
「赤くないし…!」
佐『あなた、あなた』
『どうしたの?』
佐『身長縮んだ?』
『縮んでない…』
佐『ちっちゃくて可愛いね?』
『ちっちゃくない…』
佐『そんな拗ねた顔すんなって笑』
昔みたいにからかわれて、
私が違うって言い張って。
この空間だけ、今だけ、
高校生に戻った気がしてすごく心地がいい。
「大介くんだって…変わってるじゃん…」
佐「どこが?」
「……見た目?」
佐「疑問系やめようか。」












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!