第45話

44.おしゃれとプレゼント。
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2024/01/27 14:43 更新


ーーーーーーーーーーside 司


咲希
咲希
『お兄ちゃん、少し早く帰ってこれる?』
咲希から連絡があった。
司
『何かあったのか?』
咲希
咲希
『あなたちゃんがお兄ちゃんにお礼したいって。』
司
『分かった。ショーは終わっているから早めに帰る。』


お礼?

そんな事は気にしなくていい。

結果的に良い方向に転んだが、我ながら向こう見ずな行動だった。



今はあなたが笑ってくれるだけでいい。








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司
ただいま。
咲希
咲希
お兄ちゃんおかえり!
司の母
司の母
司、おかえりなさい。

あなたの姿が無い。

もしや先に帰ったのか?

司
あなたはまだ居るか?
咲希
咲希
よくぞ聞いてくれました!
居るよ!!
司の母
司の母
あなたちゃん、出てきて良いのよ?
(なまえ)
あなた
無理無理!無理です!!

声はするが、姿が見えない。

何が無理なんだ…?

司
何があったんだ?
咲希
咲希
見れば分かるよー!
司
見えないだろう。

ここで咲希が小声で俺に話しかけた。

咲希
咲希
お兄ちゃんから行って。
静かにバレない様に。
きっとあなたちゃん逃げちゃうから!

訳が分からない。
しかし、あなたの家に帰る時間が遅くなるのも問題だろう。


俺は静かにあなたの方へと歩み寄った。





そしてあなたを見つけた時、頭が真っ白になる感覚がした。





そういえば、今日は咲希と服を買いに行くと言っていた。



今のあなたはチェックと黒のワンピース姿だ。






司
それは今日買った服か?
(なまえ)
あなた
えっ!?
つ、司!!?

赤い顔をしたあなたが俺を見ている。

手に持っているのは、

司
花束か?
 
(なまえ)
あなた
あの、司へのお礼に買ったの。
タオルとハンカチで作ってあってね、
えっと、その……頭がまとまらない…。

俺へのお礼…

(なまえ)
あなた
ショーの練習でも使える様にね、
えっと…タオルとハンカチにして…

あなたが言葉に詰まっている。

目を擦ろうとしているところを見ると、涙が滲んでいるのかもしれない。


俺は嬉しさから無意識に微笑んだ。

司
あなた、ありがとう。


そう言うと、あなたが俺を見た。

目に涙を溜めて、顔が今までになく赤い。

(なまえ)
あなた
私も、全部、ありがとう…。
司が居なかったら…絶対にっ、こうなって無かったし…、笑えてなかった…から…。




震える声でそう伝えてくれる。






精一杯言葉を絞り出しているのが伝わってきた。




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次でラストです。

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