ーーーーーーーーーーside 司
咲希から連絡があった。
お礼?
そんな事は気にしなくていい。
結果的に良い方向に転んだが、我ながら向こう見ずな行動だった。
今はあなたが笑ってくれるだけでいい。
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あなたの姿が無い。
もしや先に帰ったのか?
声はするが、姿が見えない。
何が無理なんだ…?
ここで咲希が小声で俺に話しかけた。
訳が分からない。
しかし、あなたの家に帰る時間が遅くなるのも問題だろう。
俺は静かにあなたの方へと歩み寄った。
そしてあなたを見つけた時、頭が真っ白になる感覚がした。
そういえば、今日は咲希と服を買いに行くと言っていた。
今のあなたはチェックと黒のワンピース姿だ。
赤い顔をしたあなたが俺を見ている。
手に持っているのは、
俺へのお礼…
あなたが言葉に詰まっている。
目を擦ろうとしているところを見ると、涙が滲んでいるのかもしれない。
俺は嬉しさから無意識に微笑んだ。
そう言うと、あなたが俺を見た。
目に涙を溜めて、顔が今までになく赤い。
震える声でそう伝えてくれる。
精一杯言葉を絞り出しているのが伝わってきた。
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次でラストです。

















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。