施設に入るなり牢獄のような場所に入れられた俺達。
敵が出ていくなり佐久間に駆け寄る
やっぱり出血が酷い、
だめだ、完全に意識がない。
きっと照たちは異変に気づいているはず
俺のバングルはポケットの中、
位置情報が送られている。
今、俺にできることは……
佐久間の命を繋ぐこと
アビリティーを使えばきっと回復できる
俺の体力が最後まで持つことに
佐久間が目を覚ましてくれることに
すべてを賭けて、
今までにない状況に手が震える
佐久間の服をめくりお腹に両手を合わせる
意識を一点だけに集中させて、
ふぅっ
力を込めると
暖かな白の光が佐久間を包んだ。
こめかみから汗が滴る
これで大丈夫、
次は俺にこの傷が返ってくる番だ
目を閉じると
今までに体験したことのないような痛みがお腹に響いた感覚を最後に
意識が途絶えた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!