第16話

無知
398
2023/12/23 23:39

 あなた side













 私がアイツの元で保護されるようになったのは,1年前。

  それ以前は、親戚の元をたらい回しにされていた。









       どの家も、前述べたように

 余所者で呪霊が見える私を嫌い,居ない者として扱い…











   私自身も、その対応に慣れきってしまっていた。

       …でも、アイツだけは違った。








淡波 はじめ
  初めましてあなたちゃん  
私は淡波 創。今日から君のお父さんだよ










    そう優しく笑った彼に、初めは困惑した。

 私に優しくしてれる人が居るんだ…と,少し嬉しかった。











     でも、その優しさも長くは続かなかった。









淡波 あなた
  半年前,彼の奥さんが浮気が発覚して…  
突然家から出ていった
淡波 あなた
  彼はとても愛妻家で、
それ故にショックも大きかった
淡波 あなた
  だから私生活が段々と荒れていって  
ストレス発散として私に当たり始めた
_@_
  警察には言わなかったのか、?  
淡波 あなた
  無駄だよ  
淡波 あなた
  アイツは所謂''エリート警察''で  
大抵の事件は揉み消せる程の力があるから





淡波 あなた
  で、2週間前のあの夜……
私とアンタが出会った前日
淡波 あなた
  アイツは私に無理やり………ッ  









     頭の中に、あの時の映像が流れ込んできて

         猛烈な吐き気に襲われる。









     そんな私の状態を察したのか、悪魔は

「もういい。大体わかった」と言い,私の背中をさすった。









_@_
  ……俺が絶対なんとかするから  
淡波 あなた
  ………ッ  










 コイツなら、絶対にそう言ってくれると分かっていた。

     だからこそ話した。利用するために。












   別に失敗したところで、この悪魔が潰れるだけ。

   どっちに転んでも私にとっては嬉しい筈なのに…










淡波 あなた
   ( 私もこれで、正真正銘の''悪魔''だなぁ…… )  














    この胸のざわつきには、まだ気付きたくない。



































      あれから、さらに一ヶ月が経った。










      高専での暮らしはとても充実しており

 偶に家入さん,釘崎さん,真希さんとお出かけなんかして

       とても楽しい日々を送っている。








伊地知 潔高
伊地知 潔高
  虎杖くん、あの件ですが……  
_@_
  !……あざっす、伊地知さん!  
淡波 あなた
  ……  









       ただ、あの悪魔との関わりは

       この一ヶ月で極端に減った。










    この所、任務以外の''何か''で忙しいようだ。

  まぁその''何か''とは、言わなくても分かるだろう。









淡波 あなた
  ( こんなにも頑張ってくれるとは… )  











      でも、それもこれも真人さんが……



























真人
真人
  虎杖悠仁は確かに人情溢れる奴だが……  
人間には必ずしも裏がある。それを忘れちゃいけないよ































淡波 あなた
  ( もしこの行いも,
  何か裏の理由があったとして… )
淡波 あなた
  ( 一体それは、なんのため、? )  









  私には、彼が私にこれ以上恩を売る必要があるとは…










     ……いや、考えるのはやめておこう。

  何も知らない事は、罪であり救いでもあるのだから。



































_@_
  虎杖くんは創さん退治で  
色々頑張ってるそうです……
_@_
  その色々は皆様のご想像にお任せします  

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