真結は抵抗してる。
俺の『嫌な気持ちをしないさせない』を守ろうと頑張ってたんだ
でもジジイは俺の想像よりもずっと屑に成り下がってた…
こいつ、俺を吊るして脱がせようとしたんだ
俺は必死に止めようとした
止めたかった…
ズザザ--
でもガキの俺にはどうにも出来なかった
ジジイは圧をかけて真結にまた問う
そう答えた真結の目には、光なんて灯ってなかった
それから父は日常的に真結に衣服を脱がせるように命令した
真結も、まるで全てがどうでも良くなったような顔だった
俺は真結を助けられない…
こうやって謝るしかできない…
それでも…
真結は不器用ながら俺を励ましてくれた…
そして…
そう語る真結の目は、綺麗な星のように輝いてた…
そして語った夢は…
あの時の…まだ3人仲良く暮らせたあの時語った俺の夢だった…
でも…
母も父も、誰も守れなかった…
けど…
真結は俺が守るんだ。
真結の可愛い笑顔、真結の幸せそうな笑顔を……
だから…
もう泣かない
真結の前では『強い兄』で居るんだ…
その為には…
そう決めた俺には、もう正常な判断をする余裕なんてなかった
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。