これは、私が子供の頃の話である。
そういうと、母様は手を上にあげ、私の頬を叩く。
父様は、母様より「ちすじ」が下だから、逆らえないらしい。私にはよく分からない。だけど、これが分からないのも、私がしっかり勉強をしないせいだ。
そう言って私の手をひいて、勉強部屋に行く。その日は夕食抜きで、必死に、必死に勉強をした。
私の母様はヒステリックだ。いわゆる「純血主義」というもので、私が近所のマグルの子と遊ぼうとすると、気が済むまで私をサンドバッグのように扱った。母様に逆らうと、使用人はもちろん、父様までも追い出されてしまう。私のために動いてくれる大人なんて、誰1人いなかった。
この話はチョウしか知らない。信用出来る人がチョウ以外いなかったからだ。私に唯一「友情」という愛を注いでくれた。
だが、恋愛感情については、全く分からない。両親とは縁を切ったからこそ言うが、私は両親のような夫婦にはなりたくない。どちらかが極端に偉くて、権力を振りかざして生きている。もう片方は怯えながら毎日を過ごす。何が楽しいんだろうか。
チョウのお願いは断れない。
チョウは目を輝かせて張り切っていたが、私は乗り気ではなかった。













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!