第73話

七海√③
408
2024/07/24 05:58 更新
それから、七海の日課トレーニングは倍以上にハードなものとなった。

今まで以上に己を鍛え、さらには五条らのようにあなたに挑むことにしたのだ。

恋愛対象(強者のステージ)という、土俵に立つために。
あなた
……え? 七海が私とガチバトルしたいってこと?
七海 建人
七海 建人
ええ。修練場の許可は取っておきました
あなた
えっ、いつもみたいな訓練じゃなく、術式やら結界やらを使っていいガチバトル……?
七海 建人
七海 建人
そうですね
あなた
うっひょ~!!
やるじゃん七海クン!
なんか上昇志向に目覚めたカンジ?
七海 建人
七海 建人
…そんなところです
灰原 雄
灰原 雄
最近いつもにまして七海のトレーニングメニューがエグいのはこのためだったのか……!!
灰原は、修練場に向かう二人の背中を見送った。

数時間後、七海とあなたは帰ってきた。

全身ボロボロで。

しかし、表情は晴れやかだった。
灰原 雄
灰原 雄
おかえり?! 本当に互いに手加減しなかったんだ!!
あなた
灰原!!
あのねあのね、七海が黒閃使った!!!
灰原 雄
灰原 雄
なんだって?!
高専在学中に黒閃を……?!!
七海 建人
七海 建人
(あれは狙って出したわけではなく火事場の馬鹿力みたいなものでしたが……)

(まあ、しかし。)
あなた
凄くない?!
めっちゃソンケー!!
私、黒閃は出したことないんだよな~
私もフィジカルトレーニングにもうちょっと力入れようかな
七海 建人
七海 建人
(好感触だな)

(土俵――強者のステージあなたの恋愛対象には立てたことですし。目標は達成できた。
あとは強者のレースで彼ら恋敵を追い抜くだけ。)
しかし七海は知らない……その計算(あなたの好きなタイプの想定)が狂っていることを。
七海 建人
七海 建人
(……はあ、家入さんの言った通り、別の地獄が始まってしまった……。

親友灰原の好きな相手を盗ろうと画策して、今回みたいに彼岸の幻影を見る。

一人の女子の心を射止めるためにここまでやるのは馬鹿みたいだ、本当に。)
あなた
私も黒閃使えれば、次は五条先輩に勝てたりして……!!
七海は「フッ」と微笑んだ。

それでもあなたに恋情を抱いている愚かな己への自嘲であった
灰原 雄
灰原 雄
ところで、勝敗はどっち?
あなた
私の勝ち
灰原 雄
灰原 雄
黒閃使われたのに?!
あなた
空間の歪みを応用してね
一応、こっちも特級結界スペシャリストだからさ
ちょちょいのちょいよ

でもお母さん、びっくりしちゃったな~
今回の勝敗

勝負に勝ったのは:七海
試合に勝ったのは:あなた

なぜなら今回の目標は、七海のことを無意識に格下だと認識しているであろうあなたの認識を覆すことにあったからだ。

あなたの中に刻み込まれたであろう。

七海建人は、これから同格になる可能性が強いと。
七海 建人
七海 建人
(そのうち、お母さん(私の方が上という認識)なんて自称、やめさせてやりますよ)

プリ小説オーディオドラマ