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第22話

#20 再び、星に誓う
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2025/08/02 15:00 更新
校庭は、熱を孕んだ歓声に満ちていた。

クラスメイトたちの笑い声、スピーカーから流れる音楽、そして燃え上がるキャンプファイヤーの火。

まるで儀式みたいだよな、なんて、

ジェシーが冗談めかして言ってたのを思い出す。
その通りだ。
だけど、俺たちはそこにはいない。

 

屋上。
夜風が、ここだけ異世界のように静かだった。

柵の向こうに広がる校庭の灯りを背にして、
勿来は黙って夜空を見ていた。

その横顔に、俺はただ、言葉もなく並んだ。寄り添った。

 

「……星が、重なってる」

彼がぽつりと呟いた。

夜空を見上げると、
ほんの一瞬だけ、北斗七星とオリオン座が交差するような軌道を描いていた。

俺の記憶が疼く。
肌が熱を帯びる。
脳裏に焼きついたあの天文台の冷たい空気、そして、銀色の髪の彼の姿。

 

「ねぇ、北斗」

勿来がこちらを向いた。
その声は、まるで“前の名前”を知っているような響きだった。

「俺は、現世でも、君を愛してるみたい」

「……俺も」

声が震えた。


「夢の中で、君がいた。
 星に還されそうになって、名前を呼ぶのに声が出なくて……それでも、君のことだけは忘れたくなかった」


永蓮の目に、光がにじんでいた。


「俺、ほんとはあのとき……星に戻るのが、怖かった。
 君にキスしたのも、そうしないと……来世で君が俺を探せない気がして」


「でも、お前は忘れてなかった」


俺は震える手で、彼の首筋に触れた。
浴衣の襟のすぐ下に、確かにある――三つのほくろ。オリオンの星。

 

「今度こそ、離さない」




唇を噛みながらそう言った。
声にすると涙が止まらなかった。

永蓮も、黙って俺の右口元に手を伸ばした。
指先が触れる場所、前世で、最初に交わした記憶のキスの場所。



「俺も。今度こそ、君の隣にいたい」

 

ふたり、同時に目を閉じた。
触れた唇の温度に、
記憶が、未来が、何もかもが溶けていく気がした。

屋上の空には、またひとつ、
誰も知らない小さな星が、ひっそりと瞬いた。

 



そしてその星は、
ふたりの間で新たに生まれた“誓い”を、静かに記録した。



この世界で、
今度こそふたりが結ばれる物語の始まりとして。





第一章 Fin.


To be continued…

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