何もない水の中
あれから間も無く 、全てが水に沈んだ
水面も見えなくて
冷たくもないし 、温かくもない
息も苦しくない
けど 、
浮くこともない
ただただ沈んでいくだけ
重いものが沈んでいくように
軽いものは浮いてしまうように
僕は 醜さ とともに沈んでいく
この ヒト たちは一体どこまで知っているのか
「 水が嫌い 」 だなんて知っているのは司ぐらいだ
『 ルカ 』 はヒトのように目を伏せ 、手を頬に当てる
それを 『 KAITO 』 は静かに眺めてただけだった
急に背後から ふたつの声 がした
どちらも声質が似ていて どこかの双子 を思い出す
この会話を聞くに
『 リン 』 は楽観的な性格で 、『 レン 』 は慎重派なのだろう
冴と昴に似ているところを少し感じる
「 優しい 」?
自分はそんな大層な人間じゃない
そんな人間だったのなら 、今頃 司たちとも上手くやれてるはずだ
そんな人間だったのなら 、この セカイ と呼ばれる場所は生まれなかったはずだ
いやだ息が吐けない
息が吸えない
肺が空気を求めてない
苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい
目の前にいる 『 リン 』 が大袈裟に呼吸をする
次第に自分の呼吸音が規則正しく鳴り響く
水の中だとは思えないほど 息がしやすかった
そう一言だけ残して untitle を再生した

















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。