日が暮れて、料理ができても、あなたはまだ寝室におって
…あんまり遅くまでここにおるのもなぁ。
俺はあなたに声をかけた。
そう言いながらやってきたあなた
あなたの目の前にあるのは俺特製のミルクスープ
その昔、体調を崩したあなたに初めて作った料理
ゆっくりとあなたはスプーンを口に運ぶ
あの時と変わらないあなたの笑顔
俺が料理の道に進んだのは、この笑顔を見ていたかったから
あなたがうつむきながら、ゆっくりと話し出す。
俺は何も言えず、ただあなたの言葉を聞いていた。
あなたの目から大粒の涙がこぼれる。
涙で途切れる言葉。
それでも必死に想いを伝える。
あなたの心の奥にある深い悲しみ。
それが痛いほど、伝わってきて
その悲しみと戦ってるあなたが愛おしくて
俺はその身体を抱きしめていた。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!