誰かが僕の名前を呼ぶ。違うよ、僕の名前は、しにがみじゃなくて⋯あれ、なんだっけ
恐る恐ると、目を開ける。
にこっ笑いかけると、皆が安心したような表情を浮かべる。
さっきから僕は、少し変だ。変な記憶が頭にある。誰かと一緒に、時間を過ごしてた気がする。誰だったっけ?どこに行ってた?⋯思い出せない。
バッと体を見ると、なんだか質の良さそうな、ひらっひらの服が⋯
胸元に重みを感じ、見ると新しいネックレスが付いてある
ロケットペンダントを振ってみると、からからと音がする。何か入っているみたいだ。
⋯ああ。
きっと僕は、思い出を完全に思い出すことはできない。そこで何をしたかなんてあやふや。名前だって⋯。
ねぇ
僕、生きるよ。
生きて生きて、もう1度会おうよ。貴方がいたから僕は幸せに、笑顔に、生きようって思えたの。
そしていっぱい話をしよう。自慢できることが、少しでも増えてたら良いな。この人生、諦めず頑張ることにする。もう1度与えられたチャンスを無駄になんてしない。次会う時はおじいちゃんになってるかも。でも僕のこと、見つけてくれるよね?
_ただ温かで、優しい宝物へ。僕は今、生きてます。
僕と鏡と夢想世界 完












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。