山田side
恋人いない歴=年齢
モテたことがないし、
モテるための努力もしたことがない。
そんな俺が
『付き合ってください!』
告白された。
アルバイト先の1学年下の中島裕翔に。
あんま話したことないんだけど…
「はいっ?」
『え?だ、だから付き合ってください!』
「うん、聞こえてるよ」
これ、どう返すのが正解だろう、
付き合ったことないから分からない…
とりあえず…
「なんで、俺と付き合いたいの?」
この問いに限る。
『好きだから、これは理由になりませんか』
ど直球ストレート。
いや、なるよ。なるけど…
「う〜ん…」
『嫌ですか?』
「嫌ではないけど、まだ、裕翔くんのこと
あんまり知らないしまず友達からじゃだめ
かな?」
『それって、振ってはないですよね!』
「う、うん…!」
『友達からでも!お願いします!』
すっごい、ポジティブ…
真逆だわ俺と。
「じゃあ、よろしくね」
そっから友達っていう感じで接するようになった。
「いや、裕翔面白いわw」
『いや、これ面白いの先輩の薮くんだからね
w』
「ほんとに楽しいw」
『www』
友達として話すうちにタメ口になって
距離も近まりました。
もう、返事してもいいかな…
「あ、あのさ、」
『どうしたの?』
「ふぅー…裕翔、前の返事ね」
『えっと、』
「もしかして、忘れたの?w」
『うん、』
嘘だろ…でも無理もないか、
あの告白から11ヶ月経ってるし…
いや、でも忘れんだろ!
告白してきたの裕翔なのに…
まぁ、俺も男だし。
少しぐらいカッコつけてもいいでしょ
「忘れてるんだったら俺から言うね」
「裕翔、俺と付き合ってください」
『あっ!返事ってそれ!』
「そうだよ!w」
『マジでいいの!』
「うん、待たせてごめんね」
初めてできた彼女は
天然なイケメンでした。
完
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。