空間を操るから何だ。
私はコイツの上位互換の人に稽古付けてもらってたんだ。
所詮、特級になりそこなった雑魚に負けるなんてあり得ない。
コイツに近づくのは危険。近づかせず、遠くから一撃で叩く。
構築術式で創り出した弓矢を構え、矢尻に少量の血液をつける。
ギリッ
パッ
呪霊に向かって矢を放ち、距離を取る。
問題無い。少しずつ削る。
これで祓おうなんて思ってない。
ヤツを削って鈍った所を仕留める。
矢が破壊されてもいいように次の矢を構えながら走る。
ふと、どこかにいる2人のことを考えた。
まあ、大丈夫だろう。
違和感
おかしい…
このレベルの呪霊なら矢をすぐに破壊してくる。
そして頭は回るのに人の言葉を理解していない。理解していてもおかしくないレベルの術式や能力を持っているのに、これまで被害があまりなかったのも気になる。
まるで人為的にここに放たれたような…
そんな感じだ。
それに、矢を避けるだけで私の方に攻撃を仕掛けてこない。さっきまで攻撃をしていたのに…
バンッ
設置型の罠…
これにかけるために避け続けたのか?避けるように見せかけて追いかけていた、ということか
でも…
そいつはここにはいないだろう。いるのなら設置する必要がない。
逃げ続けるにも面倒な罠がある。
攻撃も防がれる可能性がある。
これは___
私の術式は領域内に入ったものの弱点を解析し、弱 点をつく攻撃を創り、それで攻撃をする。簡易領域などでは攻撃は防げるが解析は結界の効果なので防ぐことは出来ない。創られた攻撃は領域展開終了後も使用可能。
呪霊はしばらく頑張っていたが
グチャッ
と音を立てて祓われた。
これを言うと駄目だが結構グロい。
祓われたので領域を解除する。
すると
と、呑気なことを言いながら出てきた。
ついでに殺せばよかった(((ヤメてね?by五条
ガクッ
言葉をすべて言い切れずに倒れてしまった。さすがに傷、放置は駄目だったか…
そろそろ時間かな?
左手を2人の前に出す。
2人が握ったことを確認し、術式を発動する。
術式の説明
繰返《ループ》
↳自分と触れている人を対象として自らが指定した時間まで巻き戻す。
記憶はそのまま巻き戻される。(記憶のみを過去に飛ばしているため)
この術式を成立させるためにある”縛り“を結んでいる。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。