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第1話

ある日の話
25
2026/04/14 12:25 更新



「ねえねえ、知ってる?」


「なあに?」


「ずぅっと昔、ここの水神様に捧げられちゃった人がいるんだって」


「えぇー、可哀想!」


「遺体も見つからず、ある日を境に忽然と姿を消したらしいよ」


「死んじゃったのかなあ?」


「分からないけど、」


少女は声を潜める。


「今でも、ときどき見るんだって。石段の上に、白い影が立ってるの」


「やだ、怖い……」


「でもね」





「泣いてるみたいなんだって」






風が、すうっと抜けた。






その先にあるのは、子供は決して踏み入れてはならないとされる石の階段。





神々の領域へと続く、禁じられた場所。









昔、そこに足をかけた少年がいた。

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