注意
誠一くん大事故します。流血表現ありです。
まどかさんが過保護になる話。健三さんはちょびっと出てきます。
まどかさん視点でお送りします。(時々視点が変わります)
なんでも行ける方向け
以上が行ける方はどうぞ
お人好しとはどこまで行ってお人好しである。
これはある日の依頼帰りのことだった。
いつも通り誠一の背中で眠っていた僕。暖かく落ち着くこの背中が大好きだ。
僕が寝ている隣でいつも通り言い合いをする2人。
正直僕から見たらあの2人は相性がいい。それなのになんであんなに喧嘩するのかな?
でもこの言い合いの声も大好きなんだ。そんなこと言ったらきっと2人は驚いた顔をするだろうけどね。
意外と早く片付いた依頼のレポートをまとめる誠一。ある程度終わったのか誠一はエコバッグと買い物のメモを持って事務所を出ていった。
にこにこの健三が僕に声をかけてくる。
きっとお茶の誘いだろう。
ほらね
紅茶も冷め切った頃健三がそう言った。
僕はサンルームの窓を見る。
窓にひっつく雨水はネオンの光を反射して眩しい。
僕は端末を開き相手を確認する。
相手は誠一からだ。
雨足が強くなるにつれあたりは暗くなる。
僕は健三と共に誠一の傘をもって公園に向かっていた。
公園にある小さな屋根の下、誠一はぼーっと雨を見つめながら待っている。
僕は信号が切り替わったのを確認して誠一に届くよう少し声を大きくして話しかけた。
その声に気づいたのか誠一はぱっと僕の方を見て笑顔で手を振る。
が早数秒後、その笑顔は引き攣り荷物を放って僕の方へかけてきた。
僕はそう言われ隣を見る。
そのには居眠りをしている運転手と大型トラック。
僕の足は言うことを聞かない。
ドンと体を押され僕の体はアスファルトに着くことなく健三によって受け止められた。
誠一。僕がそう声をかけようとした時健三は僕の目を塞ぐ。
震える声でそう言った健三。
何となく嫌な予感がして耳と鼻の神経を研ぎ澄ました。
僕の視界に誠一は映ることなく誠一は僕の前から消えた。
ピッピッピッ
静かな病室に響く電子音。僕の目の前には管に繋がれ寝たきりの誠一。
神経を研ぎ澄まさないと聞こえない誠一の呼吸音は僕をどんどん狂わせる。
ただ一点を見つめる僕を心配してか健三が僕に声をかける。
誠一が入院して早1週間。
誠一は意識を取り戻した。
ゆっくりゆっくり思考の歯車を回し今置かれている状況を把握する。
包帯を巻かれた体に明らかに筋肉の落ちた手足を見つめる。
隣にまどかが居ないあたり無事なのだろう。と誠一は安堵した。
━━━ガラガラガラ
病室の扉が開く音がする。
誠一の目に映る2人。誠一はにこっと下手に微笑むと2人は誠一に駆け寄りぎゅっと抱きしめた。
ぽんぽんと優しく頭を撫でる。2人の抱きしめる力は強くなったが誠一は何も言わなかった。
ただ今はこの病室で3人、肩を並べ触れ合いたかったから。
誠一が目を覚ましてから2週間。事務所にて
いつも通りの日常が送られていた。
しかし
まどかから誠一へのひっつきが以前より強くなった。
嫉妬したり、引っ付いたり。
それは前々からあったがここまでは初めてで健三も困惑している。
しかしそれを指摘することはしない。
黒く濁った瞳を見れば誰もする気は起きない。
痛みを理解出来る健三はそう少なからず思った。
今後、この過保護が増すことも知らずに……











編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。