第29話

[まど誠] 過保護になるのも仕方ない……? リクエスト
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2026/03/12 07:55 更新
注意
誠一くん大事故します。流血表現ありです。
まどかさんが過保護になる話。健三さんはちょびっと出てきます。
まどかさん視点でお送りします。(時々視点が変わります)
なんでも行ける方向け

以上が行ける方はどうぞ
お人好しとはどこまで行ってお人好しである。

これはある日の依頼帰りのことだった。
恵美まどか
ふぁ〜
いつも通り誠一の背中で眠っていた僕。暖かく落ち着くこの背中が大好きだ。
踏分誠一
ほんま恵美はまた歩かんと……
神柴健三
なら降ろせばいいのでは?私が代わりにおんぶしますから
踏分誠一
それは…
神柴健三
はぁ…やれやれ
僕が寝ている隣でいつも通り言い合いをする2人。
正直僕から見たらあの2人は相性がいい。それなのになんであんなに喧嘩するのかな?

でもこの言い合いの声も大好きなんだ。そんなこと言ったらきっと2人は驚いた顔をするだろうけどね。
意外と早く片付いた依頼のレポートをまとめる誠一。ある程度終わったのか誠一はエコバッグと買い物のメモを持って事務所を出ていった。
神柴健三
まーどかさんっ
にこにこの健三が僕に声をかけてくる。
きっとお茶の誘いだろう。
神柴健三
お茶、しませんか?
ほらね
恵美まどか
んーいいよ、お茶しよ
神柴健三
まどかさんならそう言ってくれると思いました
神柴健三
お茶菓子用意してきますね
神柴健三
遅いですね、誠一くん
紅茶も冷め切った頃健三がそう言った。
恵美まどか
確かに…雨も降ってるし
僕はサンルームの窓を見る。
窓にひっつく雨水はネオンの光を反射して眩しい。
神柴健三
まどかさん端末が鳴ってなすよ
僕は端末を開き相手を確認する。
相手は誠一からだ。
恵美まどか
もしもし誠一?今どこ?
踏分誠一
今買い物の帰りや!そいでお願いがあってな…
恵美まどか
なに?
踏分誠一
ちーとばかし買いすぎてもうて…手伝って欲しいんや
恵美まどか
えぇ…しょーがないな、今回だけね
踏分誠一
ほんまか?!ありがと!ほないつもの公園で待っとるな
雨足が強くなるにつれあたりは暗くなる。
僕は健三と共に誠一の傘をもって公園に向かっていた。
神柴健三
……居ましたね、やれやれ手のかかる男です
公園にある小さな屋根の下、誠一はぼーっと雨を見つめながら待っている。
僕は信号が切り替わったのを確認して誠一に届くよう少し声を大きくして話しかけた。
恵美まどか
誠一!
その声に気づいたのか誠一はぱっと僕の方を見て笑顔で手を振る。
が早数秒後、その笑顔は引き攣り荷物を放って僕の方へかけてきた。
踏分誠一
恵美!避けろ!!
僕はそう言われ隣を見る。
そのには居眠りをしている運転手と大型トラック。
僕の足は言うことを聞かない。
踏分誠一
ッ!!!
ドンと体を押され僕の体はアスファルトに着くことなく健三によって受け止められた。
誠一。僕がそう声をかけようとした時健三は僕の目を塞ぐ。
恵美まどか
健三?!なにして……何も見えないんだけど
神柴健三
…いいんです、見えなくて、いいんです
震える声でそう言った健三。
何となく嫌な予感がして耳と鼻の神経を研ぎ澄ました。
恵美まどか
……まさか
僕の視界に誠一は映ることなく誠一は僕の前から消えた。
ピッピッピッ
静かな病室に響く電子音。僕の目の前には管に繋がれ寝たきりの誠一。
神経を研ぎ澄まさないと聞こえない誠一の呼吸音は僕をどんどん狂わせる。
神柴健三
……まどかさん
ただ一点を見つめる僕を心配してか健三が僕に声をかける。
恵美まどか
なあに?
神柴健三
そろそろ寝てください……誠一くんが起きた時心配してしまいます
恵美まどか
僕が寝てないわけないだろ?
神柴健三
まどかさん……
誠一が入院して早1週間。
踏分誠一
……(ここは?)
誠一は意識を取り戻した。
ゆっくりゆっくり思考の歯車を回し今置かれている状況を把握する。
踏分誠一
(あぁ、俺は恵美を庇って……)
包帯を巻かれた体に明らかに筋肉の落ちた手足を見つめる。
隣にまどかが居ないあたり無事なのだろう。と誠一は安堵した。

━━━ガラガラガラ
病室の扉が開く音がする。
踏分誠一
……え……み?
恵美まどか
……せいちゃん?
神柴健三
……誠一くん
誠一の目に映る2人。誠一はにこっと下手に微笑むと2人は誠一に駆け寄りぎゅっと抱きしめた。
恵美まどか
よかった……よかったぁ
神柴健三
ばか……
踏分誠一
……ごめん…な
ぽんぽんと優しく頭を撫でる。2人の抱きしめる力は強くなったが誠一は何も言わなかった。
ただ今はこの病室で3人、肩を並べ触れ合いたかったから。
誠一が目を覚ましてから2週間。事務所にて
踏分誠一
はよ起きろ!恵美!
いつも通りの日常が送られていた。
しかし
恵美まどか
ん……せ〜いちっ
踏分誠一
うわっ!
恵美まどか
よし……お休みぃ……
踏分誠一
何がよしや!俺を布団に沈めるなぁ!!!
まどかから誠一へのひっつきが以前より強くなった。
神柴健三
……
嫉妬したり、引っ付いたり。
それは前々からあったがここまでは初めてで健三も困惑している。
しかしそれを指摘することはしない。
恵美まどか
……ふふっ
黒く濁った瞳を見れば誰もする気は起きない。
神柴健三
(過保護になるのも仕方ない……のですかね)
痛みを理解出来る健三はそう少なからず思った。
今後、この過保護が増すことも知らずに……
恵美まどか
もう離さないからね、せいちゃん

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