___見間違えじゃない。
星導くんの頭のうえに記された
-98という数字を何度も瞬きをしてみたり
自分の頬を軽く叩いてみたりして
眠気を飛ばしたけれど
その数字は姿を変えず
そのまま星導くんの頭上に佇んでいる。
なぜ、なぜこんな美しい人が
マイナスなんて数字をつけられているのか。
星導くんと話しながら
頭のなかではグルグルと謎が渦巻くばかり。
「 あなたの下の名前さんだけに特別です 」
なんて綺麗な顔で甘く言う星導くんに
思わず顔から噴火してしまいそうなのを抑え
彼の手からノートを受け取る。
星導くんのノートを写しながら
横目で彼のことを見る。
相変わらず、彼の頭にはマイナスの文字。
どう考えたってプラスだろうに
この機能、もしかして不良品だろうか。
もしかして、美しいものほど
マイナスと表記されるとか?
ふと、私の頭に、
そんな一つの可能性が浮かんだ。
随分とこの機能は
面倒くさいことをするものだ。
私はその可能性に
ギュッと心のなかで拳を握り
ノート写しの作業を進めた。














編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。