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第2話

同じカギで
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2025/06/27 07:57 更新
篠原あなたside




「じゃあ、ここで本当にシェアハウスされるってことで、大丈夫ですか?」









不動産屋さんのその一言に、私は軽くうなずいた。










隣にいる彼______












藤原丈一郎さんも、静かに頷いたのが見える。










信じられない。










たった今、会ったばかりの人と、一緒に暮らすことを決めてしまった。










でもこの物件、広くて綺麗で、立地も悪くないのに家賃はぎりぎり許容範囲。








「2人で折半すれば、充分住めますよ〜」






なんて、不動産屋さんの軽い口調に流される形で。














私は名前を書きながら、心の中で深呼吸した。

 






「じゃ、これ鍵です。生活はおふたりの自由で!」












不動産屋さんが帰ったあと、急に部屋が静かになった。










……気まずい。















一緒に住むって、どういうことなんだろう。










私はソファの端に座りながら、おそるおそる隣を見る。

















「えっと……あの、あらためて……篠原あなたです。よろしくお願いします」








「うん。藤原丈一郎。よろしく」









彼はゆるく笑って、向かいのソファに座った。










なんか、大人っぽい。






声も落ち着いてるし、余裕ある感じ。












でもそれが逆に、私をそわそわさせた。













「……あの、生活のルールとか、決めといた方がいいですかね?」












「そうやな、たしかに。いきなり生活感ぶつかってもアレやし」










丈一郎さんはそう言って、テーブルの上に紙とペンを出した。












なんでそんなにスムーズなの。









社会人……


って感じ、ちょっとする。












「例えばやけど、お風呂とか洗濯とか、時間ずらすとか?」










「あ、はい、夜型なんで私は遅めで大丈夫です」












「おっけ。俺、朝強いからたぶんかぶらんと思う」










「ゴミ出しは……交代でやります?」










「月水金、俺。火木土、あなたちゃん」










「えっ、ちゃん付けで呼ぶんですか!?」










思わず声が上ずる。








すると丈一郎さんは、ちょっと意地悪そうに笑った。










「嫌やった?じゃ、“篠原さん”?」
















「……あなたでいいです」














「了解、あなた」












名前を呼ばれた瞬間、なぜか胸がくすぐったくなる。


















たった今、始まったばかりの暮らし。
























ここが、どんな場所になっていくんだろう_______。




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